CASE3-72 ページ2
…大体、名前を聞いた時点でここの審神者は相当の馬鹿かおっちょこちょいなのは察していたのだ。
話を聞くと、この本丸の審神者名は「あああああああああああああああ」と言うらしい。
どう考えても間違えてそのまま決めてしまったのか、適当に入力したかのどっちかである。
というか許可すんなよ政府。RPGの勇者の名前じゃないんだから世界を救ってくれ(ガチ)だから。
もうこの審神者名を聞いた瞬間から、俺はこの審神者やばいなとは思った。語彙力が無いがこの場合どこ方面であれなのかが分からないので、日本語は合っている気がする。
「あっちょっと待って歌仙靴！靴が片方無い！！」
「はあ！？ああもう世話がやけるね、雅じゃ無いけれど取り敢えずそこの下駄を履きなさい！！」
「はーい！」
その後もドタバタと騒がしい音が聞こえる。今転んだ音しなかったか。
すると、巫女服の膝下に幾分か泥を付けた少女と歌仙兼定がやってきた。
肩口までの黒髪で、毛がぴょこりと頭頂部から息を荒げて肩を動かすのに合わせてぴょんぴょんと揺れている。人間でアホ毛が生えている奴初めて見た。
見た目は高校生くらいの少女だ。
「えっと、こんにちは初めまして！本日はお日柄も良く」
「主、お見合いじゃ無いんだから！初めまして、薊さんで合っていらっしゃるだろうか？」
そう尋ねられて主が頷けば、ほっとしたように少女は息を吐いた。
そして申し訳無さそうに勢い良く頭を下げる。
「ほ、本当にごめんなさい。あの、忘れるつもりは無くて、すみません」
何ともころころと表情が変わる少女だ。
だが根は素直なのだろう、しっかり謝った少女は、不安そうな目を向けている。
もっと変な奴かと思ったが、常識はあるらしい。
急激な落差に切国と三日月はぽかんとしているが。
まあ、まだ高校生くらいの少女だ。遅刻してしまうこともあるだろう。
その謝罪を受けた主は苦笑した。
「いえ、わざとじゃ無いんでしょう？私だってうっかりすることくらいあるもの」
「で、でも…」
すると主は右手を差し出して、にこりと笑った。
「私は薊というの。貴女は…えっと、何て呼べば良いかしら」
「あ…あっちゃんでもあっくんでも何とでもどうぞ！」
「なら、あっちゃんかしら？」
きらきらと目を輝かせ、両手で主の右手をぶんぶんと上下に勢い良く降っている。
「お姉様と呼ばせて下さい！！」
「おね…え？」
…やっぱこの子変な奴だわ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 207人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
白萩(プロフ) - アーーーッ！！あったっ！！！！パス通ったッ！！！セーフッ！！！！！ (2022年7月18日 17時) (
レス) id: b9eb7ef066 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきみもち(プロフ) - こんにちは！！！元白萩でございます！！！アカウントログイン不可能ッ！！！！すまない読者様！！！！！いつかpixivかなんかで放出します！！！！！ (2022年7月18日 12時) (レス) id: e86e9ee7be (このIDを非表示/違反報告)
白萩(プロフ) - びっぐとまとさん» こちらこそ、読んで頂きありがとうございました。素敵な作品や、忘れないと言われてとても嬉しいです！！こんな形になってしまいましたが意地でもネタは放出します！！本当にありがとうございます！！読者様大好きです！！ (2020年7月23日 12時) (レス) id: cd13c32878 (このIDを非表示/違反報告)
びっぐとまと(プロフ) - 今まで素敵な作品を提供していただき、ありがとうございました！そして本業や生活がある中での更新、お疲れ様でした！素敵な作品と出会えたこと、一生忘れないと思います。 (2020年7月23日 1時) (レス) id: 5f452c992d (このIDを非表示/違反報告)
びっぐとまと(プロフ) - こんにちは！楽しく読ませていただいておりました。成り代り設定のお話でも他のものとは違って新鮮で、心情の変化にドキドキしながら読んでいました。この度作者さまのコメントを読み、どんな形でも更新するという選択をされたことにありがたく思います。→ (2020年7月23日 1時) (レス) id: 5f452c992d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
