ありが特大さよならホームラン ページ6
-五美
ぎゅうっと力強く抱き締められた腕の中で、大きな声が頭上で響く。
『大好き』
その言葉が
十四松さんから伝わるぬくもりと、抱き締められる力強さと、気持ちの大きさを表すような大きな声が私の中を駆け巡った。
1度は向けられたその言葉を、私は受け取れなくて
他の人に向けられた途端に欲しくなって
だけど今は
彼の腕に包まれた今は、その気持ちは確かに私に向けられたものなんだと
嬉しくて、幸せで、また涙が溢れてきた。
「…僕を選んだなら、もう1度言わせて?」
「…」
「僕、五美ちゃんのことが本当に大好き」
「…」
「ずっと一緒にいたいし、僕が君をいろんな事から守りたい。誰にも五美ちゃんを渡したくない」
静かに耳元で呟いた十四松さんは、私の両肩をつかむとぐっと自分から引き剥がし私の目を真っ直ぐ見つめた。
「オレと、付き合ってください」
ドクン、ドクンと胸の音が大きく響く。
私は十四松さんを幸せにできるのかな。
大好きな彼の笑顔をなくしてしまう日があるかもしれない。
傷つけることもあるかもしれない。
___それでも私は
「…十四松さん」
「うん?」
「あなたと、ずっと一緒にいたいです」
「それって…」
「……よろしくお願いしま…っ!」
「ありが特大さよならホームラン!!!」
言い切る前に、私は十四松さんにまたしても力強く抱き締められていた。
「じゅ、十四松さん苦しい…」
「ごめんね!痛かった?!」
「いえ…大丈夫です」
「ねえ、本当に?!本当に僕でいいの??」
十四松さんはまだ信じられないと言った感じで私の肩をつかんで顔を覗きこむ。
急に近くなった十四松さんの顔に顔が熱くなりながら「ほ、本当です」と言うと「うわぁ…ヤバい、夢じゃない!!」と十四松さんもだんだんと顔が赤くなる。
「スッゲー嬉しい…うわぁ…」とひとしきり顔を赤らめた十四松さんは、パッとまた私を見ると「どうして僕がいいの?!」と尋ねてきた。
「ど、どうしてって…」
「教えて??」
「う…」
なかなかこの質問、恥ずかしい。
まだ赤い頬でらんらんと目を輝かせる十四松さんをちらりと見上げ、十四松さんの袖を少し引っ張りながらぽつりと呟いた。
「かっこよくて、笑顔が素敵で、一緒にいると凄く幸せで……」
「…」
「…とにかく、大好きなんです」
「だから、ずっと一緒にいてください」
.
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唯月 - 永久保存でお願いします(*^_^*) (2019年4月27日 19時) (レス) id: 0fc20caa15 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - その後のお話が読みたい! (2017年8月21日 18時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - かや梅さん» ありがとうございます!何回も最初から読んでくれたなんて本当嬉しいです…!ありがとうございます!番外編は考えていませんが、新作を準備していますので、もうしばらくお待ちください◎長い間読んでいただき、本当にありがとうございます! (2017年6月5日 14時) (レス) id: 23f0e390a2 (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - ミサキ@さん» ありがとうございます!そう言ってもらえて凄く嬉しいです!!続きは考えていないのですが、新しい作品を準備中なので、そちらを楽しみに待っいてください(^^)再度読んで頂けるなんて…本当にありがとうございます! (2017年6月5日 14時) (レス) id: 23f0e390a2 (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - 椿姫さん» コメントありがとうございます!無事に完結できました。その言葉が本当に嬉しいです。書いた甲斐がありました。長編でしたが、最後まで読んでいただきありがとうございます! (2017年6月5日 14時) (レス) id: 23f0e390a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:M | 作成日時:2017年1月7日 14時