任せたよ ページ38
-おそ松
「え、ちょ、待って。なんであいつの名前が出てくんの?」
「おそ松、説明してくれ」
さっきよりも更に険しい顔でカラ松とトド松がつめかける。
ただ一人呆然と立ち尽くす十四松を見て、トド松が何か感づいた。
「…十四松兄さん、まさか知ってたの?だからさっき急に走りだして…!酷いよ、なんで言ってくれないの?!」
「あ…僕…その…」
「トド松。十四松には頼んでたんだ。名前は伝えなかったけど、あいつのこと調べてくれって。ホームレスのおっさんなら街の動きに詳しいからさ。ほら、こいつおっさんと仲いいだろ?」
「…じゃあ、最近家にいなかったのもそれで?」
「まぁね」
「またなんでも一人でやろうとして…なんでおそ松兄さんは」
「ストップ。そもそも何であいつが絡むのか教えてくれ」
トド松の動きをカラ松が止めて、冷静にこっちを見つめる。
少しの間をあけて一美たちとあいつとの関係を話せば、三人とも口をぐっとつぐんでただただ黙っていた。
「そういうわけで、俺はこれから一美の母さんの墓に行く」
「…一人で行く気か?」
「もちろん」
「っはぁ?!何言ってんの!!一人でなんて行かせるわけないじゃん!!もしあいつがいたらどうすんの?危ないもん持ってるかもしれないってのに!」
「僕も行く!!」
「ありがと。…でも、俺は一人で行く」
「おそ松兄さん!」
「正直、お前らの気持ちは嬉しいよ?俺が一人でいろいろやってることに怒ってくれて、心配してくれて…まじお兄ちゃん泣いちゃうって」
「だったら」
「でもさ」
「これは、俺とあいつとの決着でもあるから」
「…だから、あんがとね。二人とも」
泣きそうな二人の弟の頭を撫でてやれば、もうそれ以上は何も言ってこなかった。
「カラ松。車のカギ貸して。ガソリンある?」
「半分。そう遠くまでいかないなら大丈夫だろう」
「おっけ、さんきゅー」
カラ松が投げたカギをぱしっと受け取ると、いつもの赤い靴をはいて立ち上がる。
「カラ松、十四松。お前らはここで待機しといて。誰か来てもお前なら大丈夫だろ」
「分かった!!」
「任せろ兄貴」
「あートド松、お前に頼みがある」
「僕に…?なに?」
「イヤミに赤塚霊園に来てって電話しといて。見つけたからって言えば分かるから」
「イヤミ?分かった」
「んじゃ、ちょっくら行ってくる」
ガラガラと玄関の戸をひいて、俺は弟達に笑ってみせた。
.
30人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「おそ松さん」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
唯月 - 永久保存でお願いします(*^_^*) (2019年4月27日 19時) (レス) id: 0fc20caa15 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - その後のお話が読みたい! (2017年8月21日 18時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - かや梅さん» ありがとうございます!何回も最初から読んでくれたなんて本当嬉しいです…!ありがとうございます!番外編は考えていませんが、新作を準備していますので、もうしばらくお待ちください◎長い間読んでいただき、本当にありがとうございます! (2017年6月5日 14時) (レス) id: 23f0e390a2 (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - ミサキ@さん» ありがとうございます!そう言ってもらえて凄く嬉しいです!!続きは考えていないのですが、新しい作品を準備中なので、そちらを楽しみに待っいてください(^^)再度読んで頂けるなんて…本当にありがとうございます! (2017年6月5日 14時) (レス) id: 23f0e390a2 (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - 椿姫さん» コメントありがとうございます!無事に完結できました。その言葉が本当に嬉しいです。書いた甲斐がありました。長編でしたが、最後まで読んでいただきありがとうございます! (2017年6月5日 14時) (レス) id: 23f0e390a2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:M | 作成日時:2017年1月7日 14時