検索窓
今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:22,275 hit

大事なはなし ページ30

-二美




一美姉ちゃんに持っていくお茶を用意していたら、「あ、二美姉ちゃん見っけ」と六美がとなりにくっついてきた。
六美は特に何をするわけでもなく私の動きを側で見ていると、急に「あのさ」と頬杖をついて私を見上げた。






「どしたの六美?」

「二美姉ちゃんさ」

「うん?」

「また地味に戻ってない?」

「…は?」





急に言われたその言葉に「それ、どういう意味」とムッとして言えば「だってさぁ」と六美が器用にスマホの画面をスクロールして「ん」と私に突きつける。
眼鏡をかけてないせいでぼんやりとしか見えないけれど、とこか見覚えがある人物に「誰?」と聞けば「はぁ…」と大きく溜め息をつかれた。





「この時の二美姉ちゃん超かわいかったのに」

「もしかしてあの時の?!ちょっ何で勝手に写メなんか」

「そんなことより、さっきの質問答えてよ」

「…普通本人に聞くことじゃないでしょ、それ」





「あの時は同窓会があったからお洒落しただけ、たまたま!」と言い切ってお茶と急須をお盆に乗せて台所を出れば、「ふーん」とか言いながら六美もついてくる。







「二美姉ちゃんて、しっかりしてるし頭もいいから隙なんてないと思ってたけどさぁ、そんなことないんだね」

「…何が言いたいの」

「だってさぁ…」




急に六美が一歩前に出て私の顔を覗きこむと、いたずらっ子のような笑みを見せる。







「同窓会なんていうけどさ、それって私達にも連絡くるはずだよね?」





「同じ学校で、同い年なのに」と追い討ちをかける六美に私は固まって何も言い返せない。

口をつぐむ私を見て、六美は困ったように小さく微笑むと私の手をとった。





「ねぇ、二美姉ちゃん」

「…」

「もっと、自分のこと大事にしなよ」

「でも、私が側にいてやらなきゃ、一美姉ちゃんは」

「本当にそうかな?」





六美は私からお盆を取るともう片方の手で私を2階へとひっぱっていく。
襖を静かに開ければ、一美姉ちゃんの周りに他のみんなも集まっていた。





「一美姉ちゃん、連れてきたよ」

「ありがとう六美。……二美、ここ座って?大事な話があるの」

「…え」





一美姉ちゃんは笑顔で自分のとなりをぽんぽんと叩く。
私は言われるがまま一美姉ちゃんの側に腰かけた。




.

お姉ちゃん→←頼み



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (72 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
30人がお気に入り
設定タグ:おそ松さん , 6つ子と6つ娘 , 恋愛/シリアス   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

唯月 - 永久保存でお願いします(*^_^*) (2019年4月27日 19時) (レス) id: 0fc20caa15 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - その後のお話が読みたい! (2017年8月21日 18時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - かや梅さん» ありがとうございます!何回も最初から読んでくれたなんて本当嬉しいです…!ありがとうございます!番外編は考えていませんが、新作を準備していますので、もうしばらくお待ちください◎長い間読んでいただき、本当にありがとうございます! (2017年6月5日 14時) (レス) id: 23f0e390a2 (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - ミサキ@さん» ありがとうございます!そう言ってもらえて凄く嬉しいです!!続きは考えていないのですが、新しい作品を準備中なので、そちらを楽しみに待っいてください(^^)再度読んで頂けるなんて…本当にありがとうございます! (2017年6月5日 14時) (レス) id: 23f0e390a2 (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - 椿姫さん» コメントありがとうございます!無事に完結できました。その言葉が本当に嬉しいです。書いた甲斐がありました。長編でしたが、最後まで読んでいただきありがとうございます! (2017年6月5日 14時) (レス) id: 23f0e390a2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:M | 作成日時:2017年1月7日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。