Trust me！ ページ44
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「大先生、Aから聞いたで」
静かなトーンで話しかけたコネシマの表情は凪いでいる。怒っても、悲しんでもいない。
「ほんまに死ぬつもりやったん？」
「俺としてはどっちでも良かったんやけど、Aが嫌がるならやめてあげようとは思ってたで」
「だからペットボトルか」
本気で心中をするつもりがあれば、鬱先生は手っ取り早く刃物で刺す。わざわざ手間のかかる中毒で死のうとはしない。もちろん、Aが何か手を打たなければ死んでしまう量ではあったけれど。
ただチャンスを与えただけで、死ねるなら死ぬつもりだった。残念ながら、Aは窓を開けて逃げおおせたわけだが。
「なんでAはコネシマを信頼するんかなあ」
「普段の行いやろうな」
「洗脳か」
大きな声で矯正だと訂正するコネシマを横目に、鬱先生は煙草に火をつける。
食虫植物よろしく相手をおびき寄せて、自分の元に来たらぱくりだ。こんな惨いことはあるだろうか。
それなら、まだ本性をさらけ出している自分の方が信用に値するだろう。そんな質問は心中未遂の後だったからか、無視されてしまったが。
鬱先生は死にたいわけではない。ただAと二人きりがいいだけだ。自分がAだけを考えているように、Aの頭の中は自分だけ。しかしコネシマがいる限りそれは不可能だろう。
それならば死ぬしかない。死の先は無だ。何も残らない。死んだらきっと、Aは真に鬱先生だけになる。
しかしAを殺して、自分だけのうのうと生きるつもりもない。だからこその心中だった。
自分だけを見てほしい。それが鬱先生の本願だ。
結局、根本的なところはコネシマと似ているのだ。ただ、手段が大きく違っただけで。互いにそれを解っているから、どうやって出し抜こうか考えている。
今はコネシマがリードしているが、鬱先生にもまだ可能性はある。
鬱先生はAが自身のことを考えているだけで、感情の種類は問わない。対してコネシマは絶対に好意でなければならない。
故に鬱先生は禁足でもなんでもするが、コネシマはAの信用を損なう行動は出来ない。積み上げた信頼は、崩すと二度と元に戻らないからだ。
コネシマが自由に動けない分、鬱先生は何でも出来る。
普段からは考えられない相性の悪さだ。
さっさと諦めてしまえばいいのに。お互い、口には出さなかった。
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サトウキビ - なんかすごかった(？)ヤンデレてこんなにも種類あるんやなぁあと作者さん語彙力ヤバイ(？)チラチラなんか違和感？みたいなんはあったけどほんまにヤンデレだったとは(？)作者さんこんな神作品を出していただいてありがとうござました！本当に面白かったです！ (6月29日 5時) (
レス) @page36 id: a13e5d0e47 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - 少々時間がたった後のコメントすみません。。！！がちで最後の展開が好きすぎました！！ヤンデレをこれからも愛していこうと思います！ (2022年1月26日 15時) (レス) @page36 id: ac6e1f1de0 (このIDを非表示/違反報告)
脳内お花畑(プロフ) - みるくさん» 初めてご覧になったのが私の作品なのは少々照れますがそうおっしゃっていただけると作者冥利に尽きます。こちらこそ嬉しい感想をありがとうございます！ (2021年8月22日 0時) (レス) id: 0958f2ac72 (このIDを非表示/違反報告)
みるく(プロフ) - 1年と少し前、タイトルに惹かれて初めて占ツクでwrwrdの作品を読ませていただきました。とてもよいジャンルを発掘させてくれた作者様には感謝しかありません。ヤンデレに目覚めたのもこの作品のおかげです！最高でした！！ (2021年8月21日 19時) (レス) id: 53dee64276 (このIDを非表示/違反報告)
脳内お花畑(プロフ) - みひろさん» ありがとうございます！！！そう言っていただけて嬉しいです！ (2021年6月16日 0時) (レス) id: 35d3ae5fee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：脳内お花畑
| 作成日時：2020年10月5日 21時
