【ωrωrd!】顔馴染みがヤンデレで攻略対象とかキツいって

鬱金香は殺せない ページ42

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私が鬱のところへ遊びに行くことは珍しくない。
今日も特に理由もなく遊びに行って、鬱と雑談をする。
中身のない、ただ暇を潰すような会話をしていると、鬱が思い出したかのように切り出す。

「そういえば、相対死って知っとる？」
「アイタイシ？ タイシってことは兵士かなにか？」

聞きなれない言葉で、音の響きで想像する。
どうやら違ったようで、鬱は首を振る。

「ちゃうな」
「わかんないなあ」

鬱はうっそりと目を細める。
そして、耳打ちをするかのような声で答えた。

「俗にいう心中のことや」

初耳だ。相対死、漢字だけ見れば一蓮托生を意味する単語に見える。

「心中ってな、愛の終着点やねん」

確かに、曽根崎心中や近松心中物語なんてものが日本にはある。近松心中物語の副題は「それは恋」だしね。海外では、ロミエとジュリエットだろうか。あれは色んなパターンがあるけど。

「まあ、そんなことはどうでもええねんけど」

今日の鬱は、何がしたいのかよくわからない。鬱は話を続ける。

「どういう人間が心中をしやすいか知っとる？」
「知らない。どういう人？」
「部屋が広い人間やねん」

思わず、この部屋を見回す。
ここのリビングは、広いと言えるだろう。

「ちょっと試してみいひん？」
「え？」

それはつまり……。
逃げの体勢をとるも、捕まって抱き締められる。
大丈夫だと宥められるが、なにも安心出来ない。
鬱は私を抱き締めたまま、近くに置いてあったペットボトルを取る。

「分かりやすくいうとな、ドライアイスみたいなもんやと思って」

一酸化炭素中毒によって自死するつもりだ。言われて、窓もドアも全て閉められていることに今さら気づく。



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実はTwitterで先行公開してたやつです。
なんかそれっぽいこと言ってますが作者が夢で見た知らない男女のやりとりを元に書いているので、科学的、心理学的根拠は一切ないのでご注意ください。

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