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私の家族は、祖父が日本人で、その他は、祖母や父、母がロシア人という血筋である。私は、いわゆる、クオーターというやつだ。それも日本人の血が薄い方の。
だから、家の家族は祖父以外みんな肌や髪の色素が薄いのだが、私はその中でも更に色素の薄い、”アルビノ”として生まれた。
アルビノとは、動物学においては、メラニンの生合成に関わる遺伝子疾患であり、またアルビノの存在は極めて稀で、一般的には2万人に1人。ロシア国内での調査では、10万人に1人と言われている。
メラニンという細胞が欠損しているため、肌や髪の毛の色は真っ白で、目の色は、アルビノの中でも数種類あるが、私の場合は赤い目の色をしている。
目の色が赤い理由については、瞳の色素も非常に薄く、目の血管が直に透けてしまうことから、目の色が赤くなると医学的に証明されている。
説明はここら辺にしておいて、ズバリ簡潔に言ってしまうと、周りとは明らかに違う容姿のせいで、昔からひどい苛めを受けていたのだ。
ついでに言うと、アルビノの人は視力が著しく悪いため、私の事が気に入らない人達はわざと廊下や階段等に大きな荷物を置いて転ばせたりしてきた。
そのせいで私の身体には生傷が絶えず、傷は減っていくどころか、毎日増えていった。
家族はそんな私を心配し、中学の入学と共に引っ越しを決意してくれた。また、引っ越し先で新しい学校に通う際に、ありのままの格好で学校に行ってしまうと、また前の学校と同じ事が起こりかねなかったので、両親は私にウィッグとカラーコンタクトをプレゼントしてくれた。
最初はコンタクトをつけるのもウィッグを着けるのも抵抗があったが、背に腹は変えられないと思い外出する時はその2つが私の必需品となった。
その2つの必需品のおかげで中学は至って普通の生活を送る事ができたが、やはり、ありのままの自分を理解してくれる人が何処かにいるのではないかという考えもこの時の私は考えていた。
だが、そんな考えは到底甘かった。
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箱 - ステキな作品を書いてくれてありがとうございます (2023年4月17日 21時) (レス) id: e97eef8072 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユウナン | 作成日時:2018年10月26日 23時