第十五話【白紙の手紙】 ページ16
あー、なるほど、私ね?
ほうほう、なるほど……理解した。私?
「はっ」
自分でもわかる。今、めちゃくちゃ顔が赤いことぐらい
全員が和んだように微笑んでるし、むっちゃんに至ってはカメラで撮ってやがる。後で覚えてろ
「……案外、生娘なんだな」
「サイテー!!誰かこの布男捕まえてください!!」
と、とととにかく、理解した。つまり、なによりも私に生きてほしいって事だ。そんなの分かるはずがない。タダでさえ自虐が趣味なところがあるんだから
てなわけで、結局は不本意ではあるが許諾されてしまった緊急脱出の件。
……次が本命だ。有力な案三つはこれだ
・鳴狐の案
機械方向に得意な刀剣男士を集め、過去時計を改造し、聚楽第へ向かう
・歌仙の案
政府に乗り込む
・蜂須賀の案
緊急脱出案を最初から実行する
………相変わらずの脳筋が一人いるが、私もそれに賛成したい
実際、過去時計の改造なんて過去を生きていた刀剣男士達には不可能だし…緊急脱出案は最後まで粘りたいところだ
だったらもうそうするしかない
「……乗り込もう。政府に」
布男は「あぁ」と軽く頷き、立ち上がる。そして、指揮するように右腕を広げた
「総員、直ちに準備を開始せよ!指揮、もしくは部隊長は俺、山姥切長義が持つ!
……それでいいな?審神者」
言ってから聞くな!!
確定じゃないか!拒否権もないじゃないか!
……って、あれ?
「今……クズって言わな」
「早く準備をしてこい」
ドンッと背中を押された。地味に痛い。加減を知れ
私はその押された勢いのまま大広間から出て、自室へと向かった。長らく開けていなかったクローゼットのタンス部分を引く。そこには白を貴重とした審神者の正装が丁寧にしまってあって、久々にそれを広げた
「うわぁ…、ひさび__」
その時だった、パサッと白い紙が床に落ちたのだ。服に挟まっていたんだろうか?
私は正装を腕にかけ、それを拾う。どうやら手紙のようだ。その白い封筒の表には__
『主へ 三日月宗近』と書かれていた
心臓が飛び跳ねる。私は焦りながらそれを慎重に開ける
手紙の内容は__白紙だった。
白紙?なにかの暗号?もしかしてよくある火に炙るやつ?………何も出てこないな
私が訝しげに首をかしげていると、外から急かす声が聞こえた。布男だ。性急すぎでは?
テキパキと着替えれば白紙の紙を持ったまま外へ出る
「……それは?」
「わかんない。白紙なんだ」
私が紙を見せれば、布男はハッとしたようにそれを奪い取った
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作者名:絶望少女 | 作成日時:2018年11月17日 22時