山姥切長義に惚れてしまった【刀剣乱舞】 (ページ15)

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第十四話【刀剣の弱点】ページ15

それから、様々な意見が出た。一人ずつ説明するのも面倒なので、出た案で有力な案を三つ説明する
先に言うが、「我々が別の平行世界に行く」なんていう意見を言い始めた膝丸の案は即却下。私たちがこの世界を見捨ててどうする。それをしてしまったら政府と同じじゃないか、と。
しかし、布男は違った

「いや、一理ある。可能か不可能かは別として、それは最終手段と言えるだろう。所謂、この世界からの緊急脱出だ」

＿＿すごく、嫌だ。そんなことにはなりたくない

「嫌だ。そんなのダサい。もし世界が滅ぶことになるんだったら、一緒に滅んでやる」

私は感情に任せて、熱を上げながら言った。すると布男はまたもや頭を抱え、大きなため息を漏らす

「クズ審神者。ここの中心は君である事は間違いない。君が決めることに誰も異論は言わないだろう
しかし、今の意見に誰が賛成すると思う？」
「………」

私はハッとして周りを見たが、誰も顔すら合わせず、各々別の方向へと向いている
＿＿＿っ、なん

「『なんで』か。審神者だと言うのに刀剣の心の機微すらわからないのか？」
「＿＿おい、山姥切…長義。それ以上言うなら叩っ斬んぞ」

胡座をかき、俯いたまま、鋭い目線を長義に突き刺す兼さん。彼もまた、私と目は合わさずに長義を黙らすとまた目を閉じた

「我が弟…えっと」
「兄者、膝丸だ」
「が、主はどうしてにそんな案を提示したんだと思うんだい？」

髭切から投げられた質問に、すぐに答えることは出来なかった。自分の予測していた答えと違うのだと確信はしていたからだ
……自分達だけでも助かるためじゃなくて？
それ以外？それ以外にどういう意味がある

「主は、自虐…謙遜的なお方ですからな…分からないのもしょうがない」
「＿＿蜻蛉切に馬鹿にされた……？」
「ち、違います！誤解しないでくだされ！」

ビックリした。人生初すぎて死にそうになった
あの忠誠心高い蜻蛉切に愚弄された日にゃ、首を吊って死ぬ
蜻蛉切がわたわたと誤解を解こうとしていたところに、光忠が立ち上がった。彼は私の傍によると、片膝をついて、私の手を取る

「主、あのね。僕達の一番大切なものってなんだと思う？」

光忠は私と目を合わせ、優しく、それでいて謙虚に、言い聞かせるようにそう呟いた
君らの一番大切なもの？歴史じゃないの？
「ちげぇよアホ」と兼さんの声が聞こえたが無視した

「ううん。歴史よりも大切で…とても脆いものなんだ」

歴史より、大切…？

「きみだよ。主」