山姥切長義に惚れてしまった【刀剣乱舞】 (ページ2)

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第一話【謎の男】ページ2

「＿＿不満なら反乱を起こしてもいいが……まあ、無事ではすまないな」
「は？任意でしょ？やらないよ？」
「「…………は？」」

いやだから……と、私は心からため息をつく。聞き返してきた我が近侍にイラついた訳ではなく、政府にイラついたのだ
『長期化を懸念している』？『実力を示す機会』？
ふざけんじゃねぇよ

「私は、君みたいなヤツらの、塊の、」

ずんずんと謎の男に近寄り、人差し指で強く胸元をつつく。下から覗く謎の男の顔はやはりよく見えない。見えたら覚えててやろうと思ったんだけどな

「クソみたいな組織に、媚びを売るつもりも従うつもりも無い」

その青い瞳と口元だけはハッキリ見えた。彼は依然として身体を動かすことなく、ただ目を見開いている。予想外、そんな顔をしているみたいだ

「＿＿くっ、くくく…」

＿＿否。違った。謎の男は突如笑い始めた。私は一度身を引いて、長谷部の隣に並ぶ。自然と長谷部は刀に手を添え、体制を整えて相手を睨んだ
違う、これは、あの男の顔は……

「なるほど、こういう事か。だから政府は……」

予測通り、と小声で言っていたのを私は聞き漏らさなかった。そう、こいつのこの顔は、私の言動を全て見切っていたんだ
…いや、だからなんだと言うんだ。何をされても私は政府に膝をつくつもりは毛頭ない。一年前から決めていた事だし、『ここに戻ってきた理由』だって脅しではないか。もう本能が受けつけない。政府という組織を＿＿＿いや、待てよ？
『ここに戻ってきた理由』？私を唯一従わせた、理由……

「『従いなさい。さも無くば、君の本丸を明け渡す』」
「……話が早くて助かる」

そう言って謎の男は微笑んだ。拳を血が出るんじゃないかと思うほど握り締めた。悔しくて、堪らなかった。二度もその手を使うのか、卑劣極まりない。諦めて全て従った方がいいんじゃないかと思うほど、クズだ。性根が腐ってやがる

「主」

ふと、私の近侍の声がした。その声は戦闘の時のような、殺伐とした雰囲気を醸し出している。私でもぞわりと背筋が凍った

「俺に、許可をください」

何の？とは聞けなかった。鋭い目付きで『敵』を睨む長谷部に。続けて、長谷部は言う

「この不届き者…いえ、主の言葉を借りると『クソみたいな組織』に、制裁を加える許可を…主命をください」

と、カチッと刀身を親指で上げて、右手を平手で柄に添える。さらに体制を低くし、私を庇うように敵から一切目を離さない

「こいつは、俺が＿＿」