普通の私が“魔法少女”になる話 (ページ10)

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「僕達(･･)？
ルス､お前の他に仲間が居るのか？」

目の前にいるルスに私は問いかけた

「“仲間”と呼ぶべき存在じゃないよ

僕の他にいる者達は全員顔を知らない､会ったことが無いんだよ｡世界中に散らばって魔法少女になる存在(うつわ)を探してる事は知ってるけど」

何と言うべきか分からないが､ルスもルスなりに苦労している部分が有るようだ

たわいの無い話や魔法少女についての話をしていると､ぐぅ…と何処からか音がした

私のお腹の音ではない､少し前に晩御飯を食べたばかりだし､まだ胃の中で消化されているだろう

なのでこの音はルスのものだろう

「お腹空かせたまま外に出させるわけには行かないから､ご飯食べていって

こう見えて料理には自信があるんだ」

と言いながら席を立ち､台所へ向かう

冷蔵庫には残り物などが置いてあり､野菜室には季節の野菜や年中採れる野菜が入っている

私は､冷蔵庫の一番目にある卵を取り出して少し塩を振り掻き混ぜて焼く

その後チキンライスを入れたお皿に乗せる

ケチャップをお好みの量でかければ､オムライスの出来上がりだ

出来たてのオムライスが入った皿ををルスの前に置く､オムライスから出た湯気が上がる

ルスはスプーンを持って“いただきます”と言い､オムライスを食べ始めた

「！美味しい！
Aはご飯作るの上手だね」

「一人で暮らしてるし
自炊するの好きだから」

美味しい､美味しいとオムライスを食べる手が止まらないルスを私は微笑ましく見る

年齢という概念が存在しない彼だが､私は弟が居たらきっとルスの様な感じなのだろうなと思った