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「貴方の覚悟､しっかりと聞き入れました
まずは魔法少女として能力を制御し､闇から人々を守っていってほしい
聞き慣れた名前にAは驚く｡それは現実世界で出会った少年の名前だった｡幼い姿をしているが天使や悪魔のように年齢の概念が存在しない少年だ､何故兎は知っているのだろうか
Aは兎に問いかける
「お前はルスに会ったことが？」
「ルスの他にも居るわよ
そうねえ､A､貴方の友人である月城始音と共にいるスペースという少女も会ったことがあるわ｡彼らとは貴方達と
契約､とAは復唱する｡聞いたことがないしまずルスとは契約を交わしたことがない
「────···私は､ルスと一度も契約した事がない｡交わした記憶がないんだが」
「あら､ルスは説明していなかったのね
魔法少女はルスやスペースの様な人と契約を交わさなければ魔法少女と認定されないのよ
ルスやスペースの人をなんて言うか､貴方は知らないと思うから言っておくわ」
嗚呼､とAは答える｡そのあと兎が「彼らの正式名称は“レナトゥス”と言うのよ
幾ら肉体が滅びようとも､数時間経てば元の姿で生き返る存在｡またの名を───」
「永遠の時を生きる者」
無意識のうちにAは､ぼそっと口を開いてその言葉を出していた｡目の前の兎は目を見開いて「記憶を､思い出したの？」と言った
「残念だが記憶は思い出せていない
だけど､どうしてだろう…この言葉が妙にしっくりくるというか…何回も言ったことがある気がする…私はこの言葉を知っているのだろうか」
君はなにか知っているんだろう､と弱々しく兎に問う｡兎は「私は知ってるよ､でも話してはいけないの｡君の記憶は､君自身で取り戻さなきゃいけない」と言う
「母さんを見殺しにした記憶は戻りはしない｡それでも自分の記憶は自分で戻す
約束､しただろ
必ず､思い出すって」
させと長話し過ぎた､もう朝になってそうだな｡と椅子から立ち上がるA
兎は数歩遅れて「早く､思い出してね」とAの頭をふわりと撫でた
「魔法少女になった今ならきっと､拒絶していた記憶を思い出す事が出来るかもしれない
だからその時はよろしくな」
そう告げてAは姿を消した
元の世界に戻ったのだろう
兎は「ゆっくり､ゆっくりで良いの｡だからどうか無茶だけはしないでね」と空を見上げて言った｡
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作者名：揚げ豆腐 | 作成日時：2018年8月25日 2時
