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「じゃあまた会えるといいね
Aちゃん､ルスくん」
ばいばいと手を振りながら歩いていく始音を見届けて､姿が見えなくなったあと私は再び歩き出した｡ルスは私の隣を歩いていて､一つ飴を舐め終わると再び飴を取り出して口に含む､その繰り返しをしている
「そういえば､まだあの卵や卵から産まれてくるものについて具体的に教えてなかったね」
「人の負の感情から産まれる魔物じゃないのか？」
私はルスにそう言うと､ルスは「魔
「魔物は“怪物の様なもの”を指すけど､僕達の言っている魔者は“魔の者”という意味をちゃんと持っていて､人に取り憑く､いわば幽霊や悪魔みたいな存在なんだ
取り憑いた人間を不幸にしたり､最悪の場合死に至らしめることもある」
普通の人には見えないから厄介なんだ
そう言ってルスは飴を噛み砕いた
「逃げて､早く!」
ルスから魔者についての話を聞いていると､急に頭痛がした｡頭痛は痛くなるときや痛くないときを波のように繰り返していく
「魔法少女としての任務を遂行すれば､一つだけどんな願いでも叶えてもらえる」
「地位も財も､勿論家族も
みんな､貴方の願い一つで元に戻る」
「なのにどうして貴方は何も願わないの」
顔も姿も分からない誰かが─何処かで聞き覚えの声がする─話している
「“任務を遂行すれば…一つだけどんな願いでも叶えることが出来る”」
「君は一体何処でそんな情報を知ったんだ？それはまだ僕は話していないことなのに」
「分からない､私も知らない記憶の中で…誰かが…そう､何故か聞き覚えのある声を持つ誰かが“任務を遂行すれば願いが叶えられる”ということを言っていたんだ」
そうなのか？と問うと､ルスは白状するよ降参したポーズ─両手を上に上げた状態─をとり話す
「魔法少女は君の記憶通りに“一つだけ願いを叶えることが出来る”
それは誰かを好きにさせることも､財を得ることも､全て
この事は内密にしていたんだ､世界の理を崩壊させる恐れがあるし､何よりどんな願いでも叶えられる力は魔法少女だとしても利用されかねないからね」
だから無闇にこの話はしないことと決めているのだそうだ｡ほかの魔法少女はこのことを知っている人もいれば､居ない人もいるらしい
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作者名：揚げ豆腐 | 作成日時：2018年8月25日 2時
