皆集まれェェエエ！！自由な私達の(非)日常的学園物語！5【オリジナル合作小説】

ギモンについて【雛猫(キノコ)】 ページ29

ギモンは、生まれたときは透明だった。

何色でもない、何者なのかすら知らない。

ギモンが初めて目を開けた時

最初に見えたのは「紫」がつくりだした赤い地獄だった。

その時

ギモンは自らを

それはそれは綺麗な黒にした。

なにかをしたわけではない。

自分の色を黒と決めた、それだけだ。

それだけで自分を黒に染め上げたのだ。

ギモンは知らない。

自分が赤“だった”ことを。

ギモンは知らない。

自由も、なにもかも。

ギモンは知らない。

自分が黒になりきれていないことも。

ギモンはどれだけ足掻いても

どれだけ黒にしようとしても

血(赤)は拭き取れない。

結局は赤のままなのだ。

私以外の者は全て

ギモンを黒と思い込む。

それは全知全能の神だとしても

最強と謳われる妖怪だとしても

私以外の者はたちまちギモンの洗脳にかかる。

いや、違う。

あと二人いた。

ギモンの片割れである幽霊と

ギモンを生んだあの少女。

ギモンを救えるのはその二人だけだ。

私には出来ない。

私はまだ透明のままだ。

そして透明以外になれない。

私はここから動けないんだ。

私を知る者はいない。

私を知れる者はいない。

さて、どうやって世界を動かすか。

虎太郎様【妖狐】→←「紫」のメモ【雛猫(キノコ)】

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