十八 ページ19
「…A?」
扉に背を向けていた私は壊れた人形のようにギギギと顔を向ける
「や」
そう短く扉を開けた虎杖くんに告げて帰ろうとする
が、車椅子は私の意思と反して恵の部屋に向かう
そしてゴンッという音とともに停止した
どうやらサイズが合わずに引っかかってしまったようだ
「ね、このままだと入れないし、三人でッ」
一度扉から離れたと思ったら今度は虎杖くんに横抱きされている
思わず手で顔を隠す
野薔薇ちゃんと恵の目線を感じる
やめて…恥ずかしいですすごく
フワッとした場所に降ろされる
ベッドですね?
「Aもピザ食べるだろ?」
強制的に顔から離された手
目に映るのは満面の笑みでピザを持った虎杖くん
私は頷きピザを貰う
「美味しい」
「早く来ないから冷めちゃってるわよ」
呆れながらこっちのも食べなさいと言う野薔薇ちゃん
「起きてるなら迎えに行けばよかったな」
スピードを落とすことなくピザを食べていく虎杖くん
「恵は怪我大丈夫_」
振り返って聞こうとするとほんの数ミリでぶつかってしまうほど近くに恵の顔があった
それには恵も驚いたようで珍しく目を見開いている
「あんたら中学生カップル?」
頬を赤くする私と恵に冷たく言い放つ
「A、こいつムッツリよ」
こそっと告げるが多分みんなに聞こえてる
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作者名:呉沢 | 作成日時:2020年9月20日 16時