十六 ページ17
「硝子さん、負けました」
「そうだな」
起きたかなんて野暮なことは聞かない
「腹に大穴開けやがって」
お腹あたりをさするとちゃんと肉体があった
「でも今回は治療してもらえるところ怪我しました」
「もう怪我してくんな」
そう言って頭を撫でられる
くすぐったいなぁと思っていると勢いよく扉が開いた
「扉壊れるだろ__悟」
硝子さんの言葉を無視して私を抱きしめる五条先生
「ご、五条先、生…?」
「何であんな無茶した?」
怒ってらっしゃるぅぅ
抱きしめたまま話すもんだから低い声が鼓膜にビリビリ響く
「時間稼ぎにはあれが最善だと思ったんです」
何も言わない五条先生
「勝つつもりだったし…」
「負けたけど手負いにはできたし…」
返事が返ってこないためだんだん不安になって声が小さくなる
「あの…「僕はね生徒を大事に思ってる、誰一人として例外なくね
だから勝手にいなくなろうとしないで」
昔の五条先生、いや、悟
最強だけど中途半端におこちゃまで弱い
おこちゃまなのは私も一緒
「ご、ごめ、んなさ、い」
ぽろぽろと大粒の涙が流れる
子供のように声を出して泣く
「いつまで経っても子供だなぁ」
泣き疲れて寝てしまった私の頭を優しくなでた
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作者名:呉沢 | 作成日時:2020年9月20日 16時