禪院家の怖がりちゃん【呪術廻戦】

番外編【沖縄での、とある1コマ】 ページ49

海で遊ぶ2人をボーッと眺めつつ砂浜で座っていると、だんだん喉が渇いてきた。今日暑いし何か飲み物でも買ってくるか(自分の分だけ)



『ちょっと飲み物買ってくるねー』と告げ、売店へと向かう。ジュースだけ買って木陰で涼むか、とテラス席を見た途端、つい買ったばかりのジュースを落としかけた私は絶対悪くない。なんでこんな所にまで呪霊いんだよ。少しくらい沖縄楽しませろよ。



見たところ4級のようだが、祓っておいて損はない。そう考え、木陰で休憩するフリをして歩いていた私の視界に、どうやら死角にいたらしい男性3人組が入ってきた。呪詛師か？と警戒したものの、どう見ても一般人にしか見えないヒョロヒョロでチャラそーな彼らを見て、ホッと息を吐く。いや待て、どっちにしろ問題じゃねぇか。私、男性苦手なんだけど。どうせ4級だし放っときゃよかった。



無言でUターンしようとした私の目と、男性1人の目が合ってしまって。………アッ終わった。




「あれ、お姉さんどうしたの？」

『っあ…いや、そのぉ……全然怪しいヤツとかじゃないんスけど…』

「何、俺らナンパされてる？」

『違います』




「めっちゃ即答すんじゃん、ウケる」とケラケラ笑う男性。おい何がウケんだよ。来なきゃ良かった。でも、どうせ来たなら祓っておきたいよな。テキトーなこと言って追い払うか。

沖縄で気をつけなきゃいけないヤベェ奴って言えば、やっぱアレかな。




『あの、さっき売店の人に聞いたんですけど、この辺りハブが出ることあるらしくて…』

「えっ、マジ？」

「ヤベェじゃん」

『っスよね…。なので、ここで休憩すんのはあんまり良くないかも、です…』




「えー、お姉さんやっさし〜」「わざわざ教えてくれたの？ありがとね」なーんてお礼を言われたが、私はただ嘘ついただけである。沖縄といえば、やはりハブ。とりあえずハブって言っとけば一般人は逃げるでしょ。その後さっさと祓って戻ろう。



しかし、その読みは甘かったようだ。




「お姉さん1人？ここで会ったのも何かの縁だし、一緒に遊ばない？」

『エッ、いやアナタお友達いらっしゃるじゃないですか…？』

「そーそー。だから俺らと遊ぼ？」

「男だけじゃむさ苦しくて。やっぱ華が足りないよね」

「お礼もしたいしさ」




そんなに言うなら女子と来れば良かっただろ。そう言いたかったが、そのツッコミを入れる勇気はなかった。早くどっか行ってくれ…！









(呪霊を祓おうとしただけなのに…)

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