26.悪感 ページ28
戻ると戒斗さんが支払をしていて
「あぁ!ごめんなさい!!」
「別にこれ位構わん、荷物はこれですべてか?」
ペコと二人で分けて持つ荷物はちゃんと何一つ忘れずに持っていた。
「はい!ホントごめんなさい・・」
荷物を持たせてしまった・・・
「A、ごめんなさいじゃないでしょ?」
ヘヘっと笑うペコが戒斗さんの後ろから顔をひょこっと出して
一歩前にでて戒斗さんと並ぶと
「こういう時は『有難う』って言うんだよ」
ってニッっとまぶたを細めてしまうほど輝かしい笑顔になる。
「そっか・・、有難うペコ・・戒斗さん」
私の言葉に「フン・・」と少し口元の緩んだ戒斗さんと
「そーそー!」っと兄貴面になるペコ。
「ペコの服えらぼっか!」
「だね!!」
二人で前を歩いていると
「・・どうした、ザック」
携帯を片手に戒斗さんが立ち止まっていた。
「・・そうか、今忙しい。またな」
それだけいって携帯を閉じてしまった。
「戒斗さーん?」
「どうするA、机にパソコンを置きっぱなしにしていたのが
仇になったようだが」
へ?・・・私置きっぱなしにしてない・・ちゃんと・・・
まさか戒斗さんの部屋の机・・あそこなら置いていた・・・
「私は・・・Aじゃない・・・俺ではAだけど・・・」
眩みそうな視界の中葛葉さんの笑い声が頭に響いた。
____来いよな!____
いつだって私の居場所は元の場所にはなくて・・
違うところに行ったら戻れなくて・・・
兄が・・・
分かったつもりで取り戻したくても出来ないのは当たり前で
いつも一人ぼっちで・・・
「・・・・テキトーに誤魔化せばあんな純粋な奴信じますよ。」
多分今の俺は目が据わってる。
簡単に理解される程浅はかな人間じゃない
理解されない苦しみじゃない
執拗に扱われるのが苦しみだったんだ・・・
折角噛みしめてたものが落ちて行った。
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アイカ(プロフ) - 幸部若さん» なるほど! (2015年7月27日 23時) (レス) id: 0cd967d7be (このIDを非表示/違反報告)
幸部若(プロフ) - アイカさん» コメント有難うございます!佐野岳さんのtodayで40秒以内にクリーム〜の話を参考に17話書かせて頂きました(*^_^*) (2015年7月27日 23時) (レス) id: 9dc5aa830c (このIDを非表示/違反報告)
アイカ(プロフ) - 流石戒斗さんwww (2015年7月27日 23時) (レス) id: 0cd967d7be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:幸部若 | 作成日時:2015年7月5日 23時