検索窓
今日:16 hit、昨日:2 hit、合計:36,133 hit

15.豪雨 ページ17

「あぁ、そういえばA。バロンに入らないか?」

「・・良いんですか?」

物を飲み込んでから返事すると戒斗さんは食器を重ねて

「俺はお前と踊りたい。お前と踊れるならランキングなどどうでも良い。
 その勢いだが」

強者であることにこだわりを持つ戒斗さんなのに・・。

「お誘い有難うございます、入ります」

隣でペコだ喜ぶ。

カワイイ。

「そんじゃあAもここ住めば?!」

なんて・・

「んー・・それじゃあ服取りにいこ・・」

「俺もやるよー」

「一人で大丈夫、対して物ないし。」

「それじゃあ、パーティーでも開くか。買い物に行ってくる」

らしくない戒斗さんの言葉を聞いて家に向かった。



――――家

荷物をまとめている最中。母が来た。

「あなた、昨日も家に帰ってこなかったわね。
 それに習い事を勝手に休んで・・・」

そう言ってなぐられたりけられたり。

「もうでてって頂戴」

望んでいた言葉。

「学校は行きますが習い事はしないので連絡お願いします。
 では」


――外

そう言って荷物をもって外に出るも雨だった。

勢いよく来たバイクを避けるのを失敗して泥に転ぶ。

泥だらけだけど、雨が流してくれた。

母になぐられたときに出来た頬のかすり傷から血が流れてきた。


視界の端にうつった、皆と一緒に踊ったステージに座り込む。

いくら寝てもとれてなかった疲れと、解放された安心感で
まぶたを閉じた。

バシャバシャと水たまりを踏む音がする。

「おい!」

肩を揺らされて「A目を開けろ、何があった」そう静かに。

雨で誰か分からず、雨で目を閉じきってしまっていて姿すら見えない。

体に当たり前に当たっていた雨が突然なくて違和感が訪れた。

そして次は温もりを感じた。ギュっっと優しく私を包んでくれた。
それでじょじょに私の視界は戻ってくる。

肩にかかったのはバロンのコートで、頭上には傘。

「戒斗・・さん・・」

「あぁ」

そう言って少し距離を置き、私の頬から流れる血を優しく拭って





「もうお前が傷つく必要はない」


戒斗さんの瞳はまっすぐ私の眼を見ていた。

16.着用→←14.箱内



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (10 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
21人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

アイカ(プロフ) - 幸部若さん» なるほど! (2015年7月27日 23時) (レス) id: 0cd967d7be (このIDを非表示/違反報告)
幸部若(プロフ) - アイカさん» コメント有難うございます!佐野岳さんのtodayで40秒以内にクリーム〜の話を参考に17話書かせて頂きました(*^_^*) (2015年7月27日 23時) (レス) id: 9dc5aa830c (このIDを非表示/違反報告)
アイカ(プロフ) - 流石戒斗さんwww (2015年7月27日 23時) (レス) id: 0cd967d7be (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:幸部若 | 作成日時:2015年7月5日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。