【鎧武】おにーちゃんと俺『バロン』

13.微々 ページ15

―――ペコside

追いかけた、Aちゃんが心配だから。

ザックはお兄ちゃんだけど、優しくて純粋で頭が良いから


もしAちゃんが家族を思い出したくないって思ってザックを拒絶したら
ザックは落ち込みかねない。

ザックが落ち込むとチームの士気にも関わる。
せめてAちゃんがまた落ちないようにする位の事は出来るはずだから・・



思った通りAちゃんはザックの言葉も聞かずに声を荒げた。






『苦しい』って


『助けて』って


＿＿＿＿そう叫んだ。


「煩い」の一言から感じる、表情気分。

「Aちゃん・・・逃げちゃダメだよ、解決させなきゃ。でもね・・・
　自由な時間も必要なんだよ。自分の手で勝ち取らなきゃ、自由を自分を・・・
　戒斗さんもきっと手伝ってくれるし心強いっしょ？」

俺の言葉に安心したAちゃんとは反対に
固まって内心凄い事になってるであろうザック。

「かえろっか、ザック。」

俺はいつもの調子で言うといつもの良い笑顔はどこにいったのやら
無表情で「あぁ」と言って前を歩いた。

俺は案外非力なもんで抱えれなくて背負ったけど、
俺の背中に安心してくれたのかAちゃんは寝てた。

「よく寝るねー」

って君に笑うと微笑返してくれて、彼女には俺だけが必要なんじゃないか
なんて思ってしまう。

また彼女と踊りたい、長い髪をなびかせてその可愛くて綺麗な笑顔を
浮かべてイキイキとしていた君と。



もうきっと戒斗さんは動いてくれてて、僕なんて
微々たる力なんだろうけど

彼女と踊れるためなら何でも良かった。



君とまた踊れるなら




ランキングなんてどうでも良い、仲間だって正直どうでも良いかもしれない。
君のためならステージをどこでもとって踊ってやる。

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