王道を倣え ページ1
監と禁
＊
＿＿＿＿＿＿＿
いつだって悪と呼ばれる存在達は
俺の心の中にある感情を
何処かで肯定してくれていた
ゾム
「雨の音聞こえるやろ」
ぱちぱちと窓に打ちつけられる雨音が聞こえるかと問えば
起きたばかりのAはまだ上手く脳内処理が出来てなかったのか
数度視線をユラユラと彷徨わせてから
こっくりと頷いた
頷くだけで小さく鳴る鎖の音が
雨音に少しだけ掻き消された
ゾム
「気になる？」
重くないように太くない鎖を選んだ
尚且つ頑丈にってなると大分大変やったけど
そんな真新しい鎖を指にかけて聞いてみると
Aがまたこくりと頷いた
少し口を開いて
何かを言おうとしては閉じている辺り
ホンマに何も理解出来てないんやろうなぁ
ゾム
「見ての通り、これは手錠やな」
「っ…」
手首と手錠の隙間を指先でなぞるように一周すると
擽ったいのか手を離そうとされた
が、鎖が止める
ゾム
「後ろも前も、手あんま自由に動いてもうたらあかんと思って
いい感じの長さで首輪と手錠繋いでん」
足首の枷はベッドの脚の、枕とは逆側に括り付けてて
首輪は後ろの方が枕側に少し長めの鎖で繋がってる
脚に手伸ばそうとしても
手首が届く距離まで首伸ばそうとしたら
ちゃんと絞まる長さ
計算は大変やった
「なんで…こんなの、犯罪じゃない…ですか…」
スッ、と出てきた答えを口にしようとして、閉じた
それは分かってる
これが良くない、受け入れられない
悪であることは分かっている
ゾム
「でも、こうしてやらんと
Aは俺が知らんとこ行って、知らんやつと会って、知らん奴と会話して、知らんことして…何か食って買って飲んで零して愛して捨てて…
知らん何かに触れていくんやろ？
そんなお前なんて、自由にしといたらあかんやん」
知らない何かがあって
そこで傷付くのか、泣くのか笑うのか
そんなんなんだって許せない
それが存在することだって
体の中にある心臓が
何度も潰されたんじゃないかってくらい
痛くて
息苦しいのに
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いねむり - おぉ、、！歪んだアイだ 自分が苦手系なはずなのに嫌いじゃない、、だと！ (9月16日 2時) (
レス) @page12 id: 64b21c98aa (このIDを非表示/違反報告)
かみぶくろ*(プロフ) - 新作おめでとうございます！！いつも悶えながら作品を読ませていただいております！主様のスピードで更新頑張ってください！ (2022年6月27日 22時) (レス) id: 789bc89d04 (このIDを非表示/違反報告)
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