雪135片 ページ45
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何時も通りの朝がきた。
布団の中で耳をすませると、まだ彼も1階に行ってないらしい。
起き上がって半纏を羽織り、彼の部屋のドアをゴンゴンと強めにノックし階段を下りる。
最近大抵は彼のこれで目覚めるのだが、今朝は私が先のようだ。
キッチンに立ち、手にハァアと白く出る息を吹きかける。
朝は手が凝ったものなんかつくれないから、だいたいパンかそんなもん。
とは言っても、今朝は冷えるしインスタントのコーンスープ確かあったし。
私は茶漬けにでもしよっかな
…………まだ起きてこねえなアイツ。
階段を駆け上がり、もう一度ノックする。
返事がない。
「入るぞ。」
断りを入れて、ドアノブを下に押して前に引いた瞬間、
違和感がどっと押し寄せてきた。
そこは、ただの冷々とした箱だった。
在る筈の人の温もりは欠片もなく。
シーツに手を当てたが、反射的に出た行動で意味はないと分かっていた。
昨日調えたばかりの寝具には一糸の乱れもなかった。
項垂れそうになる首を無理やり動かして探した。
何かを。
何でもいいから夢だと思わせてくれる何かを。
焦げ茶の勉強机の上に四角く切り取られた白。
取り落としそうになりながら封を切る。
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camellia(プロフ) - あみさん» ありがとうございます!続編もよろしくお願いします、頑張ります!! (2019年8月1日 15時) (レス) id: 24ff41186f (このIDを非表示/違反報告)
あみ - とっても面白かったです!これからも頑張って下さい! (2019年8月1日 15時) (レス) id: e50713e1b7 (このIDを非表示/違反報告)
camellia(プロフ) - え、携帯のお調子大丈夫ですか!? わーい(ノ≧▽≦)ノ そう言っていただけると嬉しいです! 正直リアルでの恋愛ゼロなので推しへの愛でここまで書けるとは思ってもなかったです() こっから面白くさせますよー!!! (2019年7月18日 7時) (レス) id: 24ff41186f (このIDを非表示/違反報告)
SR400 - 携帯壊れてから見てなかったんですが、久しぶりに見るとやっばり面白いです!めっちゃキュンキュンしました! (2019年7月17日 22時) (レス) id: d097415149 (このIDを非表示/違反報告)
camellia(プロフ) - SR400さん» 優しいお言葉誠にありがとうございます(*´▽`*) 9話にも及ぶ長ったらしさによくぞお付き合いいただけました。これからも頑張らさせていただけます! (2019年6月30日 8時) (レス) id: 24ff41186f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:camellia | 作成日時:2019年5月1日 8時