雪117片 ページ26
─
男性は見たところ50歳前半。
実際はもう少し若く見えるのだが、結婚25年となるとこの辺りの推定が妥当だろう。
「では、奥様へのプレゼントということで。
結婚記念日となりますと……こちらのようなデザインを求められる方が多いのですが、イメージに近いものはありますか？」
脇にあるファイルを取り出して何枚かの写真を彼の前に示す。
「うーん…………すみません、どうもこういうのには疎くて。」
「奥様と並べて映えるような感じのものが良いかと思うんですが……」
「
奥さん、秋穂さんていうのか。
「…………あ、いやでもな……」
「何か思い浮かびましたか？」
「いえ、ですがこの中にはないものなので」
「遠慮なさらないで下さい。これは飽くまで一例ですから」
本当なら、一人一人事細かにイメージからモチーフまでを聞いて作り込みたいんだ。
そのイメージを掴みそこねている人の為に、このサンプルファイルがある。
けど今は一旦退出。
パフンと音を立てて閉じブックエンドに戻す。
「どうぞ、お気になさらず。」
「……薔薇、です。あき、いえ妻の実家は花屋を営んでいて、それを知って花を贈ったことがあるんです。
白い薔薇です。」
「白い、薔薇……」
復唱すると、それの花言葉も同時に浮かぶ。
あ。
これ、来たかも。
「分かりました。あの、デザインに少々お時間を頂いても大丈夫ですか？
描き上がった後にお見せして了承をとり次第、製作に入る形で」
「それは勿論。電話番号は携帯のものなので、家族のことは気にせずにかけてくださって構いませんよ」
「お心遣いありがとうございます。」
頭を深く下げて彼を見送った。
脳内で、もう一度イメージを固める。
「……よし。」
標準的な大きさの紙を取り、鉛筆を構える。
黒鉛の粉を散らして描き始めた。
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camellia(プロフ) - あみさん» ありがとうございます！続編もよろしくお願いします、頑張ります！！ (2019年8月1日 15時) (
レス) id: 24ff41186f (このIDを非表示/違反報告)
あみ - とっても面白かったです！これからも頑張って下さい！ (2019年8月1日 15時) (レス) id: e50713e1b7 (このIDを非表示/違反報告)
camellia(プロフ) - え、携帯のお調子大丈夫ですか！？ わーい(ﾉ≧▽≦)ﾉ そう言っていただけると嬉しいです！ 正直リアルでの恋愛ゼロなので推しへの愛でここまで書けるとは思ってもなかったです() こっから面白くさせますよー！！！ (2019年7月18日 7時) (レス) id: 24ff41186f (このIDを非表示/違反報告)
SR400 - 携帯壊れてから見てなかったんですが、久しぶりに見るとやっばり面白いです！めっちゃキュンキュンしました！ (2019年7月17日 22時) (レス) id: d097415149 (このIDを非表示/違反報告)
camellia(プロフ) - SR400さん» 優しいお言葉誠にありがとうございます(*´▽｀*) 9話にも及ぶ長ったらしさによくぞお付き合いいただけました。これからも頑張らさせていただけます！ (2019年6月30日 8時) (レス) id: 24ff41186f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：camellia | 作成日時：2019年5月1日 8時
