雪111片 ページ20
─
「…………」
ああくっそ。
お湯が延々溢れでるシャワーヘッドの真下にガン、と頭突きする。
髪を伝って顔を滑り落ちる水滴に妙に安心感を憶えた。
男女の云々やる前なのは理解してるがだから何しろと。
毛は薄い体質?なのでそういう処理のするほどはない。
勝負下着なんざねえわ
カランをやや強い力加減で回してお湯を止め、浴室を出る。
特に生地が透けてるとかではない、ごく普通のむしろ少し厚手のサイズが大きめの寝間着を身に纏う。
ドライヤーはリビングに備え付けてあるので足を向ける、一足先に風呂に入って髪を乾かし終わっている彼。
私を見ると、何となく呆れた顔をする。
「ああ、まあ……貴女そういう人ですよね」
「悪かったな、私に色気を求めんな」
やはり何かしら無駄な期待を抱かせてしまっていたらしい。すまん
ドライヤーのスイッチを入れて構えるとフッと手が添えられ抜き取られる。
「?」
「……貴女に色気がないとは、一言も言っていませんが?」
「!!」
完璧に不意打ちの口説きにぐうの音も出ない。
その言葉が、心做しか甘い空気を孕んでいるように感じた。
優しく、壊れ物でも扱う手つきで私の髪を梳き乾かしていく。
そのしなやかな指が、やっぱり、好きだ。
温風が止まる。
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camellia(プロフ) - あみさん» ありがとうございます!続編もよろしくお願いします、頑張ります!! (2019年8月1日 15時) (レス) id: 24ff41186f (このIDを非表示/違反報告)
あみ - とっても面白かったです!これからも頑張って下さい! (2019年8月1日 15時) (レス) id: e50713e1b7 (このIDを非表示/違反報告)
camellia(プロフ) - え、携帯のお調子大丈夫ですか!? わーい(ノ≧▽≦)ノ そう言っていただけると嬉しいです! 正直リアルでの恋愛ゼロなので推しへの愛でここまで書けるとは思ってもなかったです() こっから面白くさせますよー!!! (2019年7月18日 7時) (レス) id: 24ff41186f (このIDを非表示/違反報告)
SR400 - 携帯壊れてから見てなかったんですが、久しぶりに見るとやっばり面白いです!めっちゃキュンキュンしました! (2019年7月17日 22時) (レス) id: d097415149 (このIDを非表示/違反報告)
camellia(プロフ) - SR400さん» 優しいお言葉誠にありがとうございます(*´▽`*) 9話にも及ぶ長ったらしさによくぞお付き合いいただけました。これからも頑張らさせていただけます! (2019年6月30日 8時) (レス) id: 24ff41186f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:camellia | 作成日時:2019年5月1日 8時