【呪術廻戦】私情ですが、好きなんです【伏黒恵】

6.見たくない ページ6

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それからしばらく経って。


新たに2人の1年がやってきた。虎杖と釘崎。





そしてーーーーーー



「ちょっと虎杖！見なさいよあれ！
Aさんと狗巻先輩の距離が近い…！」



「うぉお！すげぇ！頭とかもうピッタリくっついてんじゃん！」




隣でぎゃあぎゃあ騒ぐ2人。

寮から見えるグラウンド。




あいつらの目線の先にいるのは紛れもないAと狗巻先輩だ。




「……………………」



俺はそちらに視線を向けず、スマホの液晶画面と向き合っていた。


いや、正確には目を向けたくなかったのかもしれない。





「なぁ、伏黒！見てみろよあの2人！」



「あ？」



顔を上げ、少し窓の外へ視線をやる。



楽しそうに笑いながら、何かを話している2人の姿。


俺の眼球はその様子を鮮明に捉えた。




「……別にAが狗巻先輩と仲が良いのは、今に始まったことじゃねぇだろ」



仲良さげにスマホを覗き込むAと狗巻先輩の距離は、ほぼゼロに等しい。





けど、Aは昔から社交的な性格だ。


それに、俺の入学当初から狗巻先輩とは仲が良さそうだったし、別に今更何も思わない。




そう……別に何も……。




「つーか、あの2人付き合ってるんじゃねぇ？」



「あら虎杖、珍しく鋭いじゃない。
私もそう思ったとこなの」






ーーーーちっげぇよ！！


チッ！と舌打ちをひとつする。




Aに彼氏なんか居ねぇし。


あの2人が仲良いのは元々だし。そういう関係じゃねぇし。






その時。


Aの顔が緩み、手が狗巻先輩の頭へと伸びていって。




「……………………ｯ」




ポンポン、と軽く手を弾ませた様子が、此方からやけに鮮明に見えた。





狗巻先輩が胸の前でバツを作っている。


きっと、Aが狗巻先輩の身長が低いことを揶揄っているのだろう。






「………………クソッ」




胸に何かが突き刺さった気がして、目線を再びスマホへ戻した。

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