5.言葉が見つからない ページ5
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「恵、寮はどう？片付いた？」
帰り道、隣を歩いているAが俺に問う。心地よい夜風が、俺たちの間を斬ってゆく。
「まだ全然。荷物入れただけ。…帰ったら片付ける予定」
変に意識すると、冷たい言い方になってしまう。
だけど、Aは気にせずいつも通りだ。
「そかそか。よし、先輩が片付けを手伝ってあげよう！」
「…整理整頓苦手なくせに」
「あ、酷い！ホントのことだけどさ！」
些細な会話が、俺の心臓を早く動かす。
会話に一区切りがついたところで、Aが口を開いた。
「2年生、どうだった？個性的な人達ばっかりでしょ」
「…まぁ、それなりに」
「でしょでしょー。みんな優しいし、凄いし…一緒にいてすごく楽しい。今の仲間、大好きなんだ」
「………………」
俺が黙り込むと、Aは足を止めた。
反射的に、俺も足を止める。
それに、とAは言葉を続けて。
「恵も来てくれたし！」
その言葉とともに、頬に感じる指が当たる感触。
それは紛れもない、Aの人差し指で。
「………！？」
Aの行動が、俺の頬をたちまち爆発したかのように赤くさせる。
夜で周りが暗いから、赤さは隠れているだろうか。
「恵、呪術高専へ来てくれてありがとう」
「……………………」
「心強い仲間が増えたし、何より恵とまた近くに居られて、私的には嬉しいな」
周りは暗いけれど、Aの笑った眩しい顔だけはよく見えて。
「五条先生、恵に特級呪物の回収に仙台まで行かせるって今日言ってたの。性格悪いよねー」
再び歩き始めたAが、笑いを零す。
その顔を横から見るのは、久しぶりで何処か嬉しい、変な感覚だった。
ｰｰｰｰｰ楽しい時間は、あっという間。
「送ってくれてサンキュ。助かった」
「いーよ、全然。気にしないで」
じゃあね、と手を振ったAが俺と逆方向へと歩き出す。
その姿を見て、俺もくるりと方向転換して歩き出した時。
「あ、恵！」
後ろから大声。
俺が振り向くと同時に、Aが此方へ何かを投げた。
キャッチして見てみると、それはスティック状のココア粉末で。
「夜は冷えるから。部屋の片付けするんでしょ？それ飲んで体冷やさないようにね」
じゃあ！と駆け出していったA。
「……………………」
俺はその場に立ち尽くし、ただ黙ってそのココア粉末を見つめていた。
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はななし - 続きが、、、続きが気になって夜しか寝れない、、、、 (11月12日 22時) (
レス) @page32 id: 28281b1952 (このIDを非表示/違反報告)
水果(プロフ) - リさん» ありがとうございます、、！めちゃくちゃ嬉しいです🤦♀️💖 (2022年1月17日 2時) (レス) @page31 id: cb3e201ae9 (このIDを非表示/違反報告)
リ - めちゃくちゃ好きです、、、！ (2022年1月12日 2時) (レス) @page28 id: 110c38875c (このIDを非表示/違反報告)
水果(プロフ) - らいらっくさん» らいー！好きって言ってもらえるのまじ嬉しいけんありがとう！ (2021年6月9日 8時) (レス) id: cb3e201ae9 (このIDを非表示/違反報告)
水果(プロフ) - 十六夜麗星@環桃奈さん» ありがとうございます！嬉しすぎます…！更新頑張ります！ (2021年6月9日 8時) (レス) id: cb3e201ae9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水果 | 作成日時：2020年11月24日 22時
