1.好き ページ1
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小さい頃からずっと一緒だった。
「恵ー!五条先生がケーキ買ってきてくれたけど、食べる?」
唯一無二の幼馴染ってやつ。
彼女の名前は如蒼A。
俺より1つ年上で、同じ様に呪術を扱う。
幼少期から諸事情により五条先生に引き取られていて、気取ったところがなく、明るい奴。
俺と違って愛想が良く、面白い人でもあったので、常にAの周りには人が集まっていた。
「はぁ、はぁ……っ」
「恵、やりすぎ禁物だよー。はい、お水」
「……っ、サンキュ」
よく周りを見ていて、いつも眩しいくらいの笑顔で俺に接してくれた。
きっと、俺にとって、Aは必要不可欠な存在だったんだと思う。
だからこそ。
「…卒業おめでとう、A」
「ありがと恵。…津美紀のことよろしくね」
「…分かってる」
Aが卒業してしまう時は、俺らしくないけれど本当に寂しくて。
Aとは、もう今みたいに頻繁には会えなくなるんだと思うと。
「……………っ……」
柄にもなく、涙が止まらなかった。
そんな俺を見て、Aは可笑しそうに笑って。
「恵、泣かないでよ、私まで泣いちゃうじゃん!」
背伸びをして、俺の頭に手を伸ばした。
「でもさ、恵も高校は呪術高専に来るんでしょ?それならまた会えるよ、寂しくない」
_____恵が来るって、信じて待ってるね。
そう言って笑ったAの顔を見て、俺は
「………………」
___Aに恋をしていたことに気がついた。
それからは長期休みになっても、お互い忙しくてAとは会えなくて。
すっかり疎遠になってしまったAとの距離に、寂しいという気持ちが大きかったけれど。
きっとこの気持ちも恋心も、時間が解決してくれる。
______そう信じ続けて、1年の月日が経った。
「卒業か……」
俺は中学を卒業し、東京都立呪術高等専門学校へ進学する。
____『恵も高校は呪術高専に来るんでしょ?それならまた会えるよ、寂しくない』
卒業シーズンになっても、Aからの連絡はない。
けど。
「…A、俺、行くよ。呪術高専」
そうしたら、また会える。
そう考えると、恋心も寂しい気持ちも薄れたはずなのに、胸がソワソワして中々落ち着かなかった。
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はななし - 続きが、、、続きが気になって夜しか寝れない、、、、 (11月12日 22時) (レス) @page32 id: 28281b1952 (このIDを非表示/違反報告)
水果(プロフ) - リさん» ありがとうございます、、!めちゃくちゃ嬉しいです🤦♀️💖 (2022年1月17日 2時) (レス) @page31 id: cb3e201ae9 (このIDを非表示/違反報告)
リ - めちゃくちゃ好きです、、、! (2022年1月12日 2時) (レス) @page28 id: 110c38875c (このIDを非表示/違反報告)
水果(プロフ) - らいらっくさん» らいー!好きって言ってもらえるのまじ嬉しいけんありがとう! (2021年6月9日 8時) (レス) id: cb3e201ae9 (このIDを非表示/違反報告)
水果(プロフ) - 十六夜麗星@環桃奈さん» ありがとうございます!嬉しすぎます…!更新頑張ります! (2021年6月9日 8時) (レス) id: cb3e201ae9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水果 | 作成日時:2020年11月24日 22時