彼と英雄～日常～ (ページ42)

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ちゃんとした友達に【蛍士】ページ42

すごく情緒不安定な奴に友達ができるのは結構貴重だと思う。
だから

近平刀先生

悠人

萌恋

萌愛

鰓

みんな傷ついたら俺がバレないよう守る

そう心に決めた。

『環埼って頭大丈夫なのかな？』

『ちょーヤバイよなあれ』

『ヤバすぎて怖い…』

こんなのただの戯言！！泣くほどじゃねぇ！！

中学まで泣き虫だった俺を封印して

たくさん溜めて溜めて溜め続けて

たくさん手を汚して

密かに心の傷を増やしまくって

心象が読める悠人や勘の良い鰓にバレないよう情緒不安定さへ拍車を掛けていった

ストレス解消のできるホラゲーやグロゲーで溜まったものを発散した

けど溜まったものは多すぎて少しの足しにもならなかった

悩みや恐れ、溜めてるものが見つからないよう

隠し通して

でも、

今日それがついに溢れ出た。

耐え切れなかった。

苦しくなった。

疲れた。

涙がいっぱい
廊下に小さい水たまりができそうだ
泣き疲れ始めてきて近平刀先生の肩を借りる。

「なぁ、環埼君」

「グズッ…何」

「泣きたい時は君の親か、良ければ私の所に来な？その時はテンション高くなくても君との波長は合うと思うよ？」

理論っぽい事を言う先生にハッと笑う。

「それ慰めてんですか…。……でも、その時は頼みますかね」

「よし！じゃあこれは私と環埼君の秘密ね」

小指を俺の前に突き出しホラ！と言ってくる。
仕方なく小指を先生の小指に絡めて、約束の儀式をした。

「ゆーびきりげんまん、嘘ついたら針千本のーます。指切った！」

子供かよと思いつつ、嬉しく思うのは何だろう

「これで一つ、環埼君と打ち解けることができたね！」

打ち解ける、か。
先生とちゃんとした友達に近づいたってことなのか？

「みんなとも、いつかできるかな。打ち解けること」

「君ならできるよ！」

「あっそ。ではそろそろ帰るんで」

「うん！気をつけて帰りなさいよ～！」

先生に後ろを振り向かず手だけヒラヒラさせた

あれからどれくらい経っただろう。…40分か。

さっさと頼まれた物買いに行くか。

その後、コス野郎に頼まれた物を購入してこいつの家まで行く。
家に着くと、インターホンを鳴らし出てくるまで待つ。

数十秒待つとガチャッとドアが開いた

「やぁやぁ！ほら、衣装だよ」

紙袋を渡され。中を見ると要望通りの衣装が入っていた。そして俺は頼まれた物が入った袋を渡す。

「ありがとう。…フフッ、電話の時は疲れていたようなのに今はいい顔をしているね」

「……少しな」