彼と英雄 〜日常〜

【番外編と本編】コス野郎な友達と怒りの警告【蛍士】 ページ39

「もしもし、この僕に何の御用だい？」

「大体分かりきってる癖によ」

電話越しにフフッと静かな笑い声が聞こえる。

「まぁね。大よそハロウィンの仮装かな」

「あぁ。＿＿＿＿＿の衣装って作れるよな」

「もちろん、僕を舐めてもらっちゃあ困るね」

こいつはあだ名通りコスプレのプロ的な奴で、細かい裁縫云々もお手の物だ。

「3時間程待ちたまえ」

「おう」

電話を切り、携帯をしまう。

「仮装ができる間に野暮用済ませちゃお…」

金属音がガチャガチャうるさい鞄を肩に掛けて、ある人物達の元へ向かおうとした。
すると

ガシッ

誰かに服襟の後ろを掴まれ、少しグエッとなる

「何か用ー？萌恋」

この強引で何かを伝えたい感じの掴み方はもう慣れている。

「あんた、何するつもりよ」

「なーんのことーかなっ？」

わざとらしくとぼけて見せると、彼女は眉間にシワを寄せた。

「そんな物騒な物ジャラジャラ持ってたら止めるに決まってんでしょ」

「あーらら、バレちった？？」

そ！萌恋っちの言うとーり！！

この鞄にはー、金属バットとか鉄パイプとか金属系武器いっぱい入れてんだー！！？

「いんやーね？君の大事な妹ちゃん傷つけた奴らに忠告してやろーと思ってさ！！萌恋っちもやるー！？」

「誰があんたなんかとやるかっての！あと………萌愛が怒らず傷つかない程度にやりなさいよね！？」

萌恋ちゃんから許可貰ったぜー！！

そいじゃあ……バンバンやってやろーっと




＿＿＿

3時間が経ちそうな頃

体育館裏で本性を現した女が屈辱的に固まり怯える姿は実に醜い！！

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」

こうやって謝り続けて許されるのを密かに待つ奴らも

「何なのあんた！！私は悪くないし！あいつが全部悪いんじゃない！あいつがあいつが…」

自分の汚い所を全否定し人のせいにするヒステリックな奴らも

「ほーんとお前ら性根が腐り切ってるね！！？
気持ち悪いし普通に吐き気がしてくるわ！！」

まだこいつらに手ぇ出してない俺結構スゴイよ！！！？

「ねぇお前らに萌愛の気持ちが分かるか！？
何も悪くないのに！あんなに性格も見た目も良い奴なのに！てめぇらみたいなクソにピュアな心を傷つけられたうえに手まで出された！」

主犯らしき女の顔スレスレに金属バットを振り上げる。

「いいか、これは警告だ。
今回はコレをお前ら自身には使わない。
けど、次萌愛に手ぇ出したらお前らを病院へ送る程度にコレら使うから覚悟しとけ」

秘密【蛍士】→←親友を助けるのに理由なんかいるかよ【鰓】

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