時覚学園【小説】 (ページ36)

今日:12 hit、昨日:17 hit、合計:5,750 hit

教室【志恩】ページ36

…僕は、Aクラス、か…

教室の前まで来て、少しためらう自分がいる。

志恩「…また、志緒理と違うクラスになっちゃった」

そう、僕と志緒理は去年違うクラスで、志緒理が凄く悔しがっていた。

……いや、僕だって相当悲しかったけどね。色んな意味で

志緒理達とは違うクラスだけど、隣だからすぐ行ける。女嫌いと五月蝿い所が苦手な僕にはラッキーだ。

ガラッ

静かにドアを開け、去年とほぼ同じメンバーが目の前にはいた。

「おっ、志恩じゃん！今年も宜しくなー」

「つーか、お前の兄ちゃん、入学式からすげーの残してったな！さっすがSクラス会長！」

嗚呼、今年もこの言葉がくるのか。

…弟としては誇らしい、だけど、人としては苦しい言葉。

志恩「…ああ、ありがとう」

それだけを告げ、自分の席へと座った

勿論、このクラスには去年居なかった奴も居る訳で、僕の事をあまり知らない人も居る。

「あ、あのっ、初めまして！わ、わたし去年志恩君の隣のクラスの」

だから、こんな例外の子もいる。

モジモジしててうざったい。僕はさっさと志緒理の所に行きたいのに。何なんだ一体

志恩「僕、女嫌いだから。話し掛けないで。それと、僕の名前呼ばないで。気持ち悪くなるから」

そう言うと、その女は目に涙を溜める。だが、周りの男子はそれを呆れて見ていた。

「でたよ、志恩の女嫌い」

「こりゃあ何時まで経っても直んないな」

うん、知ってる。て言うか、直す気ないし。このままでも生活は出来る。

志恩「…勝手に泣かれるとか、気分悪い」

僕は荒々しく席を立ち、教室を出た。

中から女の泣き声とその他の女のあやす声が聞こえてくるけど、そんなの気にしない。

ガラッ

志恩「志緒理、居る？」

隣のSクラスのドアをゆっくり開けた。