時覚学園【小説】 (ページ28)

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会長挨拶【志緒理】ページ28

『皆さん、静かにして下さい。生徒会会長からの挨拶があります』

あっは、やっぱり進行の人は偉いなー。まあ、大した話じゃないんだけどね

俺は特に返事もせずステージ上に上がり、マイクに口を近づけた。

志緒理「えーと、皆さんこんにちは、俺が時覚学園の生徒会長、舞紅志緒理でっす。

まあ、特に言う事はないッス」

周りがざわつき始めた。いや、そうだろうな…生徒会長がこれだもの。先公達もちょっと焦ってる

志緒理「いや、だってさー学園長サンがあーんな土産残してちゃってさ、俺が何言ってもなぁんも響かないっしょ？？」

「ちょ、舞紅君っ！せめて今日だけでも生徒会長らしく振る舞って下さいっ！」

先公がステージの下で何か言ってるけど、そんな事どーでもいい。

案の定、志恩は涼しい顔で俺の方見てるし、新入生は不安というか呆れた表情。

志緒理「…まあ、まだ新入生の子達は赤子も同然だしね。学園長のこと狙っても無意味だと思うから、そこら辺は諦めていーから」

志恩「………志緒理？」

外にまで聞こえるように、大きく息を吸って、

志緒理「「どーしても学園長の座欲しいんならっ、まずは俺を倒してみろよっっっ」」

新入生や先公、在学中の奴等は皆耳をふさいで苦い顔でこっちを見た。

戦い事や争う事が好きな俺にはぴったりな企画だと思う。だって、沢山の奴と戦えるんだぜ？めっちゃ楽しそうじゃん！

志緒理「ごほんっ…えー、以上！生徒会長、舞紅志緒理からのお言葉でしたっ

ちなみに、俺(多分)学園長の次に強いから、宜しくなっ！」

綺麗な炎を拳に巻き込み、大きく手を振り回し、炎の文字を残し、ステージを去った。

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【殺】、という文字は、志緒理が去った数分後に消えていった

志緒理「…志恩でも、手加減しないからな」

ゆっくりと志恩の隣に腰掛けた志緒理は、肩に頭をおき、目を閉じた。

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志恩「…志緒理だって、随分大きな土産を残してるじゃん。」

その言葉は騒がしい体育館内の中に虚しくも消え、志恩の心へと閉じ込めた。