時覚学園【小説】

違和感【士乃】 ページ19

「うわっ、大胆なこと考えるなぁ」

「…………」


突然の「儂を倒したら学園長にしてやる(意訳)宣言」に、ざわつく会場。

彩子がポカーンとしている。

あのジジィ、なんかゲームとかアニメの黒幕っぽいな。



それにしても、学園長ねぇ……

……おもしろそうじゃねえか。


「アタシは参加してやるぜ、あぁ、ワクワクす「……なによ、これ」…………彩子？」


いつもの彩子みたいな温厚な口調が消え、鋭い刃物のような言葉が出てくる。


「こんなのおかしい……狂ってる」

「なぁ、彩子？ どうしたんだよ！」

「うるさい！ 静かにしててよ！」


彩子はしばらくうつむいてぶつぶつとなにか呟いていたが、また顔を上げた。


「おい、大丈夫か？彩子！」

「大丈夫ですよ？ただちょっと、考え事をしていました」


口調こそ元に戻ったが、なんというか……いつもの彩子と違う。

すごく目が怖い。




そのあとの、『lucky star』の歌も、普段は聞き入っていたのに、どうしてか耳に入らなかった。

不味い【昴】→←狂ってる【彩子】

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