時覚学園【小説】

修羅場【彩子】 ページ11

先生に、まだ集まっていない新入生を体育館に呼ぶように言われ、外に出たのですが……


なんですかこの修羅場。

さっきの白っぽい男の子はほわほわした女の子に抱きつかれ、キッとした女の子は白っぽい男の子を睨んでいます。

女の子二人はアイドルのグミちゃんとらぁらちゃんに似てます。もしかしてご本人？


これはどうすればいいんでしょう？

雰囲気がさらに険悪になったら出ましょう。うん。
ちなみに、柱の影から見てます。


「……さっきからこっち見てる人は出てきてください」


気付かれていました。
まぁ事情を説明すれば大丈夫でしょう。

特に気負いせず、普通に全員の前に出ます。


「すいませんね？私3年生なんですが、先生に新入生を探すように言われまして」

「それなら最初から出てくればよかったんじゃ……？」

「雰囲気が険悪だったので…………」

「ああ……なるほど」


多分らぁらちゃんであろう女の子はまだこちらを警戒しています。

いや、事実しか言ってないんで、そんなに警戒されても困るんですが。


「とにかく、私はまだ来ていない生徒を探しますので、『大人しく』『会話せずに』体育館に行ってくださいね？喧嘩は入学式が終わってからですよ！」

「……分かりました。それでは」



私はその場からすぐに離れました。

はぁ……今日は厄日です。

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