時覚学園【小説】 (ページ2)

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新入生【彩子】ページ2

「新学期！春！アタシもようやく2年生！もう楽しみで仕方ない！彩子もそう思うよな？」

「いやそういうの後でいいから走ってください！ハリーアップ！」

「なに言ってんだよ、まだ15分ほど余裕あるだろ！」

「15分しかないんです！いつも先生が来る10分前から和やかに友人と会話するのを目標にしている私からすれば大問題です！」

「それこそどうでもいいだろうがよぉ！」

なんで新学期早々士乃ちゃんと言い争いながら走らなければいけないのでしょう？

新学期だからと髪の毛をいつもより入念にとかしたのが悪かったのか？

それとも持ち物をいつもより長く確認したのがいけなかったのか？

等と考えていると、校舎の方に歩いていく男の子を見つけました。雰囲気的に新入生ですね。

でも新入生は体育館にいかなきゃ駄目なんですよね？

ちょっと指摘？注意？してあげましょう。

「そこの君、新入生ですか？新入生は体育館に行くんですよ？」

「そんなことより兄さ……なんでもありません。体育館に行くことは知ってます」

「あ、じゃあ体育館がどこか分からないとか？体育館ならあちらですよ」

「えっと……ああ、はい。ありがとうございます」

男の子は、ほんとは違うんだけどなぁ、等と呟きながら、体育館の方に歩いていきました。

「…………なんだったんだろうな」

「さぁ？あ、早く教室行かなきゃだめですよ！」

「……もうちょっとゆっくりいこうぜ？」