妹「クソ兄貴」透「悪ガキ」【安室透】

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透「・・・」

要「・・・」



喫茶店の玄関前で、目を見開いたまま硬直状態になった2人



みたことのある互いの顔



懐かしい感じもしたが、そんなことより2人が感じたことは



透 要「なんでお前がここにいるんだよ！？」



…これだ


綺麗にハモってしまった2種の声が店内に響き渡り、客全員の視線がこの2人に向けられた



ここの店でバイトをしている彼 安室透は、とりあえず目の前にいるヤツをカウンターに座らせた

そいつは目を丸く見開いたまま、安室をじっと見つめている


同じく安室も内心ものすごく驚いてはいるが、そこは大人

仕事に支障をきたすことがないように、またいつも通り仕事に戻った


軽く安室に放置されている彼女は、目の前に出されたお茶をとりあえず一口飲み、理由もなく高ぶってしまっている心を落ち着かせた



透「おい…」


急に声を掛けられ、頭から脚の先まで全身にまるで電撃が走ったかのようにびっくりする彼女


透「お前、どこで何やってた」


兄ならそれぐらい知っとけよと普通は思うが、それは仕方のないこと


だって彼女

幼い頃から好奇心旺盛で怖いもの知らずだったため、5歳の頃に家を飛び出して そのまま帰って来なかったのだから

つまり今現在、安室とその妹である彼女は、
実に9年振りの再会である


9年もの間に 簡単に言えば悪ガキだった彼女も立派に成長していて、少し感銘を受ける兄 安室

兄の余りの風貌に一瞬だがかっこいいと思ってしまった妹

遅くなったが、彼女の名は 要、降谷要



透「どこで何やってた」


完全にフリーズ状態の要に2度目の問いかけを行った


しかしフリーズ状態っていうのは、そう簡単に解けるようなものではない


安室は軽く睨みつけながら、彼女の額を指で鳴らした


いい音が自分の額から聞こえて、見事にフリーズ状態が解けた彼女



透「どこで何やってた？」


3度目の問いかけになった今回は、少し口調を緩めて問いかけた


要「杯戸町の友達の家にいさせてもらってた
帰り道がわからなくなったって言ったら住まわせてくれたんだ
ってか、兄貴こそ なんでここにいんだよ」

透「ちょっといろいろあってな
とりあえず、ひとつ頼みがある」

要「なに？」


結構真剣な顔つきで言ってくる兄に、少し息を呑んだ

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