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鷹 41 ページ41

Sh23







周東「あっっつ…」



自主トレしていれば自然と付いてくる筋肉も、鏡を見ればそれなりについてて、我ながら成長したなーなんて感じる。代走として起用されるけど、打者としても出るし肩から腕の筋肉も、入団した当初よりかはついてて、何となく安心する。

それでもやっぱり筋肉は欲しい。

筋肉、筋肉なぁ。筋肉が付きやすい人と比べれば、筋肉質な方ではないし、比べればやっぱ細身な方ではある。これでも食べてるんだけど…。



周東「外行こ」



オールスター組も帰ってきてるし、俺も俺で次ある試合の準備もしなきゃだし。

ロッテなぁ…。WBCでの投球見てれば、味方側から見れば心強いし、流石令和の怪物と呼ばれる程の実力はある。WBCからもう何ヶ月も経ったけど、いざ試合となると厄介で強いなっとはなる。

連敗続きとなれば、また何言われるかなんて目に見えてる。悔しい事の方が強いからこそ、練習は欠かさないのも当たり前。



周東「熱中症になりそう…」



蝉の鳴き声とか、夏の風物詩ーとか何とか言うけど、暑さと日差しと重なれば、ただの耳障りで五月蝿いとしか言い様が無い。

蝉なぁ…、彼奴ら地面に死体の様に落ちてる時もあるけど、近付いたら馬鹿デカい鳴き声出して飛んで行くの、マジでなんなん。恐怖なんだけど。幽霊とかよりも、蝉のそう言うのが怖いかもしれない。



「あっつ、」


周東「…あ、Aか」


「私です」

周東「髪結んでないから誰かと思った」

「あー、丁度切れちゃって」

周東「へぇ」



空の青さとか、雲の白さとか。他にも夏の風物詩的なのは色々あるけど。いつもは結われた髪を、自分の手で束ねて抑えながら、片方の手はパタパタと服の襟をばたつかせて、滴る汗とかを時々拭いながらも、自主トレに励む選手を見てる所とか。

もう十分20代の後半を進んできてる割に、自分の心の内が学生気分な感情があるとか、何か引く。



和子「よいちゃーん!」

「ありがとうございます、態々すみません」

和子「いいよいいよー

あれ、周東君も自主練?励むねー笑」

周東「まぁ、はい笑」


和子「それにしても蝉もよく鳴くね。
1週間の命じゃ、そりゃ全力で鳴くだろうけど」

周東「それ実際幼虫が土の中で7年だから、
実質7年と7日ですよ」

和子「それ言われたら、儚さも無くなるね」

「その前に弱肉強食の世界なので、
7年だろうと7日だろうと

どの道儚い命に変わりないですよ」



和子「現実味のある儚さね」
周東「気温は暑いのに性格は冷たいのな」








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作者名:RIKU | 作成日時:2023年7月11日 2時

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