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鷹 10 ページ10

Sh23







首に息と髪の毛が当たって擽ったい。けど、それ以前に耳が落ち着かない。話の内容を聞くのに、その内容を頭に入れる隙が見当たらないくらい、今の状況把握に酷くドキドキしてる。

自分から仕掛けておいて、本当、この子は年上をなんだと思ってるんだ。

だけど、毅さんからはAが俺と付き合うのに時間が欲しているという趣旨の話を聞いて、それがどう言った意味なのかってのを聞きに来ただけなのに。顔を見た時には、もう時既に体が動いてしまっていた。

流石に同意の無い事はしない。そこの所はちゃんと弁えている。だけど今は、それを抑えるのに必死で、その対抗で細身のその体を抱きしめるのに精一杯。




「周東さん」

周東「はいっ…!」

「他の人よりも一層、真剣な表情に目を惹かれて、
つい目で追ってしまうんです」

周東「う、うん…」

「だからその分、今ある立場を見直した時、
付き合うとなった時が少しだけ怖いんです」


周東「…うん」

「嫌だというわけではなくって、ただ自信が無いんです。
周東さんを、その、」


周東「なに?」




本当に、どうにかなってしまいそうな位、クラクラする。マジで耳元でそれを言われると、理性が持たない。ただ嫌がる事はしたくないし、嫌われたくもないからしない。そこは大人としてもちゃんとするけど…けど!

Aがギュッと抱きしめるのと同じ様に、俺も俺でAをギュッと抱きしめ返す位しか出来ない。

マジで…え、可愛すぎない??

立場とか自信とか、そんなのは正直いらない。立場なんて所詮仕事とプライベートは別だし、自信なんて俺の事が好きってそれだけでいい。

本当、それだけしか最早いらない。仕事以外で、俺の事考えて、頭いっぱいになればいいのに。何て、欲張り過ぎるか。



周東「ね、顔見たいんだけど」

「や、っまだダメです!」

周東「なんでよ笑」


「まだ、はい…っ」

周東「んね、そんな事悩んで考えてたの?
俺の事考えて、それで毅さんと話してた時照れてたの?笑」

「あ、のっ」

周東「て言うか、今の状況分かってる?大胆だね笑」


「そんな、意地悪をっっ!」



好きな子は少しだけいじめたくなる。それは嫌われない程度に、ちょっかいをかけて、こっちを見ないのなら振り返させればいい。気を引かせて、顔を林檎の様に真っ赤にさせて、少しだけ潤みのある目と合わせて。

確かに意気地無し。俺と付き合うのに、必死になって感情をどう押し込め様としてるのか分からないけど。

好きになれば、押し込める必要なんてないのに













(顔真っ赤笑)
(っっ//)

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作者名:RIKU | 作成日時:2023年8月23日 21時

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