部に入りたい？…無理。 【歌い手】

3 変な予感って当たるよね ページ5

いつも通り、部活は喋ったり、発声、歌の練習をしたりして終わった。




そしてまたいつも通り、帰路を辿った。




着いたのは一つの一軒家。
何処にでもある普通の、家だ。




『…ただいま。』




誰も答えないのは分かっているけれど、つい言ってしまう。そんな毎日。

仏壇の前に行って、手を合わせる。


『ただいま、お母さん、お父さん。』


チーン…と鳴った音。

…そう、私の両親は、もう亡くなっている。家族で久しぶりに旅行に出掛けたあの日、車で家に帰っていた途中に交通事故で死んだ。

…私一人を残して。


そして私は重傷で済んだ。その時はいっそ共に死んでいてほしかった。
だけど、重傷で済んでしまった。背中に残っている傷が、今もそれを物語っている。

でも今は慣れたことだ。
シリアス展開もここでおしまい。さっさとご飯食べて寝よう。







私は脳裏に浮かんだ言葉の通りに動き、素早く寝た。







明日も学校だ。何が起こるのか分からないけど、何かが起きるような気がする。








そんな小説みたいなことをベッドの中で思いながら、私は眠りについた。

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