◇百三十五、 音の鐘 ページ42
_チリン。
嫌な音がした。聞いたことのある音。
聞きたくなかった音。
『_!』
私は反射的に結界を極度に強め、気配を絶つ。…何処かにいる?
それとも、聞き間違いだろうか。
『…。』
それから暫く身を潜め、警戒態勢に入っていたが、あの巫女が現れることは無かった。
聞き間違いならそうであってほしい。
違うならば、結界が効いたと思いたい。
『よし、寝よう。』
眠い。睡眠が減っては戦は出来ぬ。
そう思い、私は二人が寝ている隣に並んで寝た。Zzz…
____
「…この結界は、流石に解くには時間がかかるな。」
そう言った彼女の手には、神楽鈴。
少し揺らせばチリンと心地の良い音が鳴る。
それに力を貸し、結界に向かって威力を加えた。
頑張って、無くなるのは数時間くらいだろうか。
嗚呼、楽しみでたまらない。
ありがとう、私と遊んでくれて。
ありがとう、私を導いてくれて。
ありがとう、本気にしてくれて。
…さようなら。
誰にも悟ることの出来ない言葉を脳内で並べていた。なんて愉快な事だろう。
まるで自分がかけた呪いの舞台は、どのような結末を迎えるのか。
楽しみでたまらない。
…この巫女の思っている事は、まだ誰も理解が出来ない。
何故なら。
この時間軸に、彼女を知る者は誰一人として存在しないのだから。
_____数時間後。
『!!』
雩鈴/鈴神「…!」
私達は、ある異変に気付いて飛び起きた。
この違和感、気配、妖気。
…間違いない、あの巫女だ。
結界はもう既に破られる寸前。すぐ側に置いておいた道具達を装備し、厳重に警戒する。
その時だった。
パキパキパキ…
中庭全体が凍り出した。
一面に綺麗な氷が張り巡らされている。
_、と冷や汗が伝った。…こんな技、見たことが無かったからだ。
「さぁ、始めましょうか。」
その真ん中に立つ人物は、不思議な程微笑を浮かべていた。
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ふぃりあ(プロフ) - 獣兎さん» ありがとうございます!! そう言ってもらえてとても嬉しいです。´∀`*)b (2017年10月8日 17時) (レス) id: 260828f0b6 (このIDを非表示/違反報告)
獣兎 - 今迄この作品を読ませていただいてました。とても面白かったです! 更新を楽しみにしておりました*(^_^)* (2017年10月8日 16時) (レス) id: bba55528ae (このIDを非表示/違反報告)
ふぃりあ(プロフ) - 桜刀/夢悪蝶さん» ありがとうございます!!とても嬉しいです…、更新頑張ります! (2017年9月28日 21時) (レス) id: 260828f0b6 (このIDを非表示/違反報告)
桜刀/夢悪蝶 - 続編おめでとうございます! 文ストはあんまり見ないけど、ふぃりあさんの作品を見て興味をもちました! 投稿頑張ってください! (2017年9月28日 20時) (レス) id: 1ef74e7ff5 (このIDを非表示/違反報告)
ふぃりあ(プロフ) - Maiさん» ココ、コメントありがとうございます!(・・、) そうなんですね!私も初めて知りました…。これで更新頑張れます。 (2017年9月19日 22時) (レス) id: 260828f0b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふぃりあ | 作成日時:2017年9月17日 19時