地味な男の恋愛のペース ページ31
『行きましょう退さん！』
「あっ、でも副長が…………」
『退さんを危ない目に合わせる人なんて置いてきましょう！行きますよ！』
プンプン怒ってるAさんは普段よりも饒舌で積極的だ………俺の手を自ら掴んで歩いてるし…………
『まったく！土方さん本当に見損ないました！退さん！また無理難題押し付けられたら私に言ってくださいね？成敗しますから！』
「わ、わかりました！」
いまだ繋がれたままの手は俺の手と比べると小さくて細い…………そのことに俺の心拍数はあがり手汗が止まらない…………
「Aさん…………あの…………て、手ェ大丈夫ですか？俺、汗がすごくて…………ふ、不快なら離してもらっても…………」
『え？手？汗？…………あっ』
繋がれた手に視線を向けるとAさんは歩くのをやめて完全に停止してしまった
『ご…ごめんなさいぃ！無意識に手繋いでました…………あぁあ…………離します！！』
繋がれた手をほどかれてしまった…………離れた手に風が当たると手汗が冷えて余計寂しくなった
やっぱりまだ繋いでいたくて離れた手をすぐさま繋ぎ直した…………さっきよりも指を絡ませて離れないように強く握った
「や、やっぱり！手……………つなぎませんか？」
『…………は、はいぃ…………』
Aさんは一気に顔が赤くなり俯いた…………という俺も絶対顔が赤くなって腑抜けたツラしてるんだと思うけど
『………嬉しいです』
チラリと俺を見てはまたそんな可愛いことを言うから心臓がうるさい…………
「俺も…………嬉しいです」
そう告げると照れたように笑うAさん…………あぁ、俺は本当に本当にこの子が好きなんだと思いました。なんて誰に言うわけでもない作文を心の中で展開した
『私…………すぐ緊張しちゃってごめんなさい』
「え？…………いやいや俺もだよ………年上なのにね……俺って地味だからか…恋愛のペースも地味でごめんね？」
『退さんは地味じゃないです！でも………恋愛のペースは地味にゆっくりでお願いします』
「任せてください！地味の器は江戸一番だと思ってますから！」
空いてる手で敬礼をするとAさんはクスクスと笑っている…………
地味なペースの俺たちを外野は笑うだろう
原田から叩き込まれた恋愛の手練手管ももうどうでもよくなった
地味な俺の地味な愛情表現でもAさんはずっと隣で笑っていてくれるはずだから
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ちー - 終わりって書いてるんですけど続きありますか？すっごいこの小説好きです！ (2022年9月19日 15時) (
レス) @page40 id: 9c6bdad68c (このIDを非表示/違反報告)
Ais - つ、続きはどこに！？ 続きください！いつまでも待ってます！ (2022年7月8日 2時) (レス) @page40 id: a23b86f862 (このIDを非表示/違反報告)
RIO - 小説読ませてもらっています！更新待ってます！！ (2022年3月25日 1時) (レス) @page40 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
Zoo(プロフ) - さくらぎさん» さくらぎさん☆ミコメントありがとうございます！お褒めの言葉に癒されました( ；；)更新がんばりますのでまたぜひ読んでいただけると嬉しいです( ＾ω＾ ) (2021年3月2日 19時) (レス) id: 10217891d8 (このIDを非表示/違反報告)
さくらぎ - 素晴らしい文章に、とても癒されました。ありがとうございました。 (2021年2月28日 22時) (レス) id: 97d3a30c6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Zoo | 作成日時：2020年8月5日 17時
