No.13 ページ14
(白石)
藍沢先生の予想外の言葉に私は思わず固まってしまう。
Aの方に視線を向けても私と同じように固まっていて、何を言ってるのか分からないと言った表情。
「お前達が1番重傷の患者につきっきりでどうする。桜井は何のために戻ってきたんだ？
現場は引っ張って行く医者を必要としてる、治療が出来る医者は他にもいる。緋山や藤川、それに俺もいる。
白石、お前は周りを見れる人間だ、現場の指揮を取れる人間だ。桜井、お前はそんな白石を支えるために戻ってきたんだろ？
お前達は戻れ。白石、指揮官になれ───」
Aは、冴島さんに目を合わせて微笑んで頷いた。
冴島さんも何かを感じたのか力強く頷いてAがいた場所に冴島さんが入った。
医療用バッグを持ったAに私は肩をポンっと叩いた。
『分かった、二人ともお願い。白石先生行くよ！』
「この子を優先にして運んでもらうから救出できたら連絡して」
「わかった」
藍沢先生の声を聞いて、私も小屋を出て消防隊長がいる場所まで走る。
横には幼馴染の姿があって、消防隊長のところまで来ると私の方に視線を向けて口を開いた。
『ワンブロック先のスーパーの方に行ってくるから！』
「分かった、ここは任せて！」
消防隊長やレスキュー隊員を集め、私は恩師の姿を思い出しながら指示を出した。
「緑タグは、あのバスを使って近くの病院に搬送してください！赤タグはうちのヘリを中心に、黄色タグは白車を中心にお願いします！」
「「はい！」」
そこからは無我夢中で何か考える隙もなく患者さんのために苦手な指示出しもやりきった。
赤タグの人達を無事運び終わり、あとは緑タグの人達だけとなった消防隊やレスキュー隊は片付けを始めていた。
私も翔北に戻らなきゃ。そう思った時目の前で誰かがフラフラして歩いているのが見える。
まさか他に重傷患者がいたの！？
私は焦ってフラフラしてる人に近づく。
けど、その人は私の顔を見ると普段の笑顔を向けてきた。
……また無茶したな、この子は。
私はそっと彼女が倒れないように抱き締める。
『……ちょ、めぐ。大丈夫だから、ね？』
「フラフラしてる人に、そんな事言われても説得力ないよ。あと無茶しないでって言ったよね、A」
そう少し怒ったように言えば苦笑いを浮かべながら視線を私から外す。
『あー、色々あって』
「……ばか」
『………何か今日は怒られてばっかだね、私』
そう言って彼女は抱きしめ返してくれた。
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Yuri - 更新、楽しみにしています！ (2018年8月2日 21時) (
レス) id: d785c31dd6 (このIDを非表示/違反報告)
柚希拓海(プロフ) - ☆ゆゆまる☆さん» ありがとうございます。すぐに確認し訂正させて頂きます。 (2018年5月27日 18時) (レス) id: 0d726a2806 (このIDを非表示/違反報告)
柚希拓海(プロフ) - みかさん» 返信遅くなりすみません。ありがとうございます、すぐに訂正します。 (2018年4月14日 18時) (レス) id: 0d726a2806 (このIDを非表示/違反報告)
みか - No.１８で「行ってたの」が「言ってたの」になってますよ (2018年4月2日 13時) (携帯から) (レス) id: cb44cdb910 (このIDを非表示/違反報告)
柚希拓海(プロフ) - 真衣さん» 感想ありがとうございます！これからも頑張ります！ (2018年3月30日 14時) (レス) id: 0d726a2806 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚希拓海 | 作成日時：2018年3月20日 21時
