No.01 ページ2
(桜井side)
慣れない飛行機から降りて、自身のキャリーバッグをコロコロと引っ張りながら外に向かって歩く。
それにしても、やっぱり生まれた国って落ち着くもんなのかな？
とりあえず言ってみたかった事を言ってから向かうとしますか。
『んー！ただいま、日本！！』
手を挙げて大きな声で言えば、それはもう物凄く注目を浴びるんだけどこの際気にしない。
きっと、気にしたら負けなんだと思う。多分。
その時、背後から声がして何事かと思って振り返ってみるとたくさんの人が集まっている空港内。
私は気になって自身のキャリーバッグを引っ張りながら人の間を少しずつ通って中心へと向かう。
『……帰国早々って私は本当に医者だなぁ』
思わず呟いてしまったけど、すぐに倒れている男性に近付いて処置を始める。
流石の私でも医療バッグなんて持ってないから、応急処置をしながら周囲の人に声をかける。
『すみません！どなたでもいいので救急車を呼んで貰ってもいいですか？』
「は、はい…！」
これで一応救急車の心配はしなくていい。けど、心肺停止してるから心マしながら私は次の行動を考えていく。
遠くからヘリの音が聞こえ始めて、少しだけ心の中で余裕ができる。
あぁ、本当に帰ってきたんだ。
「翔北救命センターの藍沢………」
『藍沢、おひさー』
うわ、一気に顔が険しくなってますけど……。
その瞬間止まっていた心臓が動きだした。結構危険だけど何とかなった。
『心肺停止してたけど今戻った。後は任せても良い？』
「……あぁ。」
『あと、まだ皆には言わんといてね？』
何か言いたそうな顔してたけどスルー。
処置するのに邪魔だと思って置いておいたキャリーバッグを持ち、軽くゴミが付いてそうなところを叩いて、もう1度引っ張りながら歩いた。
さて、そろそろ向かわないと藍沢に怒られそう。
それに橘先生にも今日からなんて言ってないからね、挨拶もしなきゃ。
空港を出てタクシーを待ちながら真上に広がる大空を見上げる。
もう見えなくなってしまったドクターヘリ。
9年前にフェロー卒業してから誰にも言わずにアメリカへ飛んだ私にとっては懐かしいものなのに、すぐにヘリに乗ってる自分を想像できてしまう。
そんな自分に若干呆れながらも、目の前まで来たタクシーに乗るために運転手さんにキャリーバッグを渡して座席に乗り込む。
そして運転手さんが運転席に乗ったのを確認してから口を開いた。
『翔陽大学附属北部病院まで。』
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Yuri - 更新、楽しみにしています！ (2018年8月2日 21時) (
レス) id: d785c31dd6 (このIDを非表示/違反報告)
柚希拓海(プロフ) - ☆ゆゆまる☆さん» ありがとうございます。すぐに確認し訂正させて頂きます。 (2018年5月27日 18時) (レス) id: 0d726a2806 (このIDを非表示/違反報告)
柚希拓海(プロフ) - みかさん» 返信遅くなりすみません。ありがとうございます、すぐに訂正します。 (2018年4月14日 18時) (レス) id: 0d726a2806 (このIDを非表示/違反報告)
みか - No.１８で「行ってたの」が「言ってたの」になってますよ (2018年4月2日 13時) (携帯から) (レス) id: cb44cdb910 (このIDを非表示/違反報告)
柚希拓海(プロフ) - 真衣さん» 感想ありがとうございます！これからも頑張ります！ (2018年3月30日 14時) (レス) id: 0d726a2806 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚希拓海 | 作成日時：2018年3月20日 21時
