No.27 ページ28
(白石)
あれからご飯を食べ終わり、皆でエレベーターを乗って医局に戻っていた。
藤川先生を挟むように私と緋山先生、私の後ろにAと並んで一番後ろの壁に寄りかかって藍沢先生。
話題は変わらず冴島さんの話が続いていた。
「なぁ、何で言ってくれないのかな……。お前だったらどう？」
「いや知らないわよ、けど言わない事だってあるでしょ」
「何でだよ、普通言うだろ」
内容が内容だもんねー。と後ろでAが苦笑しながらボソッと呟きつつ相槌する。
私も自分が同じ立場だったら迷うかも、それに恋人よりAとか緋山先生に相談しそうだなぁ。
緋山先生も完全に呆れてて、私も藤川先生に何て言えばいいのか言葉を探すけど見つからない。
暫く私たちの間に沈黙が続いた中、最初に沈黙を破ったのは緋山先生でも藤川先生でも無くAだった。
『藤川の子供じゃないんじゃん？』
「……冗談でも辞めろよ！」
物凄い勢いで後ろに振り返って藤川先生はAに向かって指を指す。
緋山先生なんてツボにハマったのか、ずっと笑ってる。
時々Aは突拍子もない事言うからね。
「ていうか藤川先生？まず人に言っちゃいけないと思う、そんな大事なこと」
『それね。てか、本人いないのに言っていいって思う時点でおかしいと思うけど。はるちゃんが藤川に言って無いって事は悩んでたかもしれないのに』
「え、言っちゃ駄目なの？桜井が言った事まで考えてなかった……」
『……ばか』
「珍しくAから暴言出た、ほんと馬鹿じゃん。」
確かに滅多にAは怒ったり、暴言を吐いたりしないから珍しい。
そう思っていると藤川先生が急に焦り出した。
「え、アイツ怒るかな！？」
『んー、怒るし根に持ちそう。下手したらバイバイとか？』
「冴島なら有り得るね、それかずっと言われる奴じゃない？」
「やばいな、アイツ怒るよな。バイバイとか絶対嫌だぞ！？」
そんな焦り出した藤川先生を緋山先生とAが更に煽っていると黙っていた藍沢先生が口を開いた。
「一つ確認していいか」
『ん？どうしたの？』
「お前ら付き合ってたのか？」
「そっから！？」
『……アメリカにいた私でも知ってたけど』
あまりの言葉に私達は目を見開く。
藍沢先生ってこういう話は向いてないの知ってたけど、ここまでとは思わなかった……。
藤川先生本人だって口が閉まってない。Aなんて遂に呆れたのを通り越して藍沢先生にドンマイって言ってる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 383人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Yuri - 更新、楽しみにしています！ (2018年8月2日 21時) (
レス) id: d785c31dd6 (このIDを非表示/違反報告)
柚希拓海(プロフ) - ☆ゆゆまる☆さん» ありがとうございます。すぐに確認し訂正させて頂きます。 (2018年5月27日 18時) (レス) id: 0d726a2806 (このIDを非表示/違反報告)
柚希拓海(プロフ) - みかさん» 返信遅くなりすみません。ありがとうございます、すぐに訂正します。 (2018年4月14日 18時) (レス) id: 0d726a2806 (このIDを非表示/違反報告)
みか - No.１８で「行ってたの」が「言ってたの」になってますよ (2018年4月2日 13時) (携帯から) (レス) id: cb44cdb910 (このIDを非表示/違反報告)
柚希拓海(プロフ) - 真衣さん» 感想ありがとうございます！これからも頑張ります！ (2018年3月30日 14時) (レス) id: 0d726a2806 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：柚希拓海 | 作成日時：2018年3月20日 21時
