写真はスルー ページ42
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「……んで、結局土方さんとは何もしてねェんだよな?」
「うん。あれはただ演技です……ほんの数秒でしたけど……」
「俺に嘘つこうとするとは随分余裕になったもんだな」
いきなり顎を持ち上げられ至近距離まで顔が迫る。
それにつれ私の鼓動も速くなる。
「も、もうしません……けど」
「けど?」
「総悟くんも……早瀬さんとか部屋に入れるのもうしないで欲しい、な」
あー、なんてずうずうしいんだ私!
偉そうな事言って嫌われるかな……。
……
長い沈黙に耐えきれなくなりギュッと瞼を閉じる。
.
「……悪かったな」
「へ……?」
総悟くんの言葉に目を開き、意外すぎる言葉が出て間抜けが声が出てしまった。
「あーうぜェうぜェそのアホ面」
親指で鼻を持ち上げられブタ鼻になった私の姿をケータイで連写し始める総悟くん。
え……
今総悟くんが謝ってくれた……?
私に……?
「クッ、お気に入りフォルダに入れときまさァ」
総悟くんが謝ってくれるなんて……
こんなレア体験出来るだろうか。
「早瀬さんって、あとどのくらいいるの?」
「三日くらいじゃねェか?てか写真怒らねーのかよ」
「もう部屋に入れない?」
ケータイを見てる総悟くんにグイグイ近づきながら聞くと、「はいはい、入れねーよ」と目線を変えないまま髪をくしゃりと撫でられた。
「結局今日どうなったの?」
「俺が言いたい事言ったら、''馴れ馴れしくしてるつもりなんか――!''って言ってすぐ部屋から出て行った」
「言いたい事って……『俺にはAしかいねーぜ……』みたいな事言ったんですか!」
「ああ言った」
「え!!」
真顔で返答する総悟くんに思わず顔がカァッと赤くなった。
「俺のそばにいるのはこれまでもこれからもずっとAだから。もう馴れ馴れしくすんなって言ったぜィ」
「まままじですか!」
「嘘だよバーカ」
「も〜」とわかりやすく頬をぷっくり膨らませる
……なんて可愛い仕草なんか到底出来なくて、
少年漫画に出てくるキャラのようにへこむ私であった。
.
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沖田彩乃(プロフ) - ゆずさん!この小説ギャグ線高いッスネ!超面白いです! (2016年4月28日 23時) (レス) id: e31aa8383d (このIDを非表示/違反報告)
ふらわ(プロフ) - ゆずさんの作品大好きです!直球シリーズも大好きです!鬼更新頑張ってください、待ってます!w (2016年4月7日 20時) (レス) id: d783636807 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 厨二なあほ毛さん» やってしまったー!(笑)ありがとうございます!これからもじゃんじゃん指摘お願いします(-_-) (2016年4月7日 19時) (レス) id: 4f2cc3a92c (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ななせ.さん» ありがとうございます!頑張ります! (2016年4月7日 19時) (レス) id: 4f2cc3a92c (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 皐月*゚さん» ありがとうございます!! (2016年4月7日 19時) (レス) id: 4f2cc3a92c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず | 作者ホームページ:http://yuzuhomepage
作成日時:2016年3月30日 15時