43.答えは本丸の外に ページ44
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とっぷりと日も落ち、煌々とした月が真上に来る頃
貴「岩にせかるる滝川…滝川…?」
僕は未だにまだ悶々と刀の隠し場所を考えていた。
貴「水は多いけれどこの本丸には滝はないし…滝…」
ふと、本丸の外に滝が存在するのかを考えてみた。
貴「…いやそんなまさか…でも、それがあったとしたら…」
殆ど冗談のつもりで考えた事だが、案外的を得ているのかもしれない。バッと布団を跳ね除けていそいそとジャージに着替える。
貴「もしかしたら違うかもしれないけれど…でも、可能性はある…!!」
靴を履き、本丸の裏手門から裏山へ。
貴「手がかりで絶対に前任に見つからないような所は多分、本丸の外しかない、はず…」
夜とはいえ季節は夏、背中がしっとりと汗ばむのを感じながらも、月明かりだけを頼りに川を探す。
貴「…あった…後はこのまま大きな岩を探して…」
川の側はやはりひんやりしていて気持ちがいい。心が、少しずつ凪いでいく。
貴「僕、なんでこんな時間に山の中なんて出歩いているんだろう…」
これで刀剣男士が見つからなかったら、僕はきっとこの山の中で遭難して野垂れ死.ぬのだろう。…そう簡単に死.ぬつもりなんて毛頭ないが。
貴「瀬をはやみ…岩にせかるる…滝川の…」
どのくらい川沿いを歩いただろうか。
いつの間にか、目の前には轟々と流れる滝つぼがあった。
貴「…あった…!!」
靴と靴下を脱ぎ、裾をたくしあげるとそのまま水の中に入っていく。
意外と深くて裾を折り曲げたことが意味をなさなかったのが誤算だったが、冷たい水の中は心地よかった。
ざぶざぶと水をかき分けて進むと、大きな岩のかげを探す。
流石に真っ暗な中を探すことはできなかったから手探りで探すと、指先に何かが当たった。
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佑菜(プロフ) - 五月七日さん» 応援ありがとうございます。話の続きを待たせてしまって申し訳ないです。 (2018年10月24日 12時) (レス) id: 4551e98c94 (このIDを非表示/違反報告)
五月七日(プロフ) - 凄く面白いです!応援してます!更新待ってます! (2018年10月5日 20時) (レス) id: dbeede1e64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佑菜 | 作成日時:2017年4月23日 18時