希代のエゴイスト様 (ページ5)

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2.日本観光ページ5

｢＿＿＿＿聞こえるか。｣

手に取った最新型スマホで、Aはとある者へ電話をかけた。

『＿＿＿＿聞こえる。何だ、A。』

｢嗚呼良かったよ、確か君はパスポートが切れて日本に戻って居たんだな？

俺は今、東京に居るから明日の10時に渋谷駅に待ち合わせで。

よろしく、冴。｣

『は？なんで俺g

ﾌﾞﾁｯ＿＿＿＿

Aはその相手、冴との電話を強制的に切らしては日本観光の名目として約束を取り付けた。

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こちらもこちらで有名選手なものだから変装は欠かせなかった。

黒いキャップ帽を深く被り、黒マスクと少し派手目な黄色いレンズをした伊達メガネにシンプルな服装を完全装着しては渋谷駅前へ…

だが、Aは盛大に遅刻していた。

日本人は時間通りに待つのがマナーというが、この男は生粋のフランス人なもので時間にルーズだ。しかも、マイペースな性分であるが為に約束の時間である10時より5分遅れて向かっていた。

いざ到着してみれば＿＿＿＿。

『あの人カッコイイよね…』

『連絡先交換してきなよ、』

『えやだ無理無理、！！』

『うわイケメン……』

なんやら騒がしい駅前だ。
いや、いつも通りと言えば都会だから当たり前なのだが、今回は黄色い声が多い気がする。

周辺を見回していれば特徴的な髪色をした男を見付けた。小豆色の髪に大き目の黒いサングラスをかけて、手持ちのスマホ画面を熱心にも見ている人物……を取り巻く女集団。

……何だ、アレは。めんどくさいな。

『あの〜……、』

気付けば近くに来ていた女の子2人に逆ナンされてしまった。女心はわかったつもりでいるのでAは人あたりの良い笑顔を作れば、上手く対応したことで2人は嬉しそうに去って行った。