黒薔薇が咲く監獄にて。II

24. 〃 ページ41

『はぁ！！？良質なハグだろ！？』



『俺はボール行ったろ！！ちゃんと見ろポンコツVAR！！』




｢あ〜〜〜… 𝐈𝐜𝐡 𝐡𝐚𝐛𝐞 𝐒𝐜𝐡𝐦𝐞𝐫𝐳𝐞𝐧.(痛いなぁ)




2人とも痛い思いをボクにさせないでヨ。

猫ちゃんはただのタックルだし、お嬢サマはガッツリ膝に当たってたしさ。｣




2人は判断に不満を爆発させてはVARに文句をつけていたが、少し遅れて上半身を起き上がらせたAの発言に千切は直ぐに謝る。






『マジかよ、ゴメン。立てるか？』



『あ？？どう考えても良質なハグだろ喜べ、生意気野郎』




'' どーもありがとう、お嬢サマ '' と、一言感謝しては差し伸べられた手を握り返しては立ち上がる。かという馬狼は青筋を立てながら無理やり理由をこじつけた。





｢＿＿＿＿あ。｣





つぅ、と右頬に深めの擦り傷がついてしまった所から血が溢れては垂れてしまっていた。炎症を起こし、痛みがじわゞと響いている。




その血を拭こうとAは手を伸ばしたが、いつの間にか近くに居た凛に手首を掴まれてはタオルを頬に軽くつけ、血を優しく拭き取ってくれた。





『後でちゃんと手当しろ、A』


｢え…、うん、分かったヨ。凛｣





半ば強制にタオルを押し付けられ、腑抜けた顔をしてしまったAを差し置いて凛は水筒の飲み口に口をつけ、水分を補っていた。

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