黒薔薇が咲く監獄にて。II

23. 〃 ページ35

KICK OFF !




読め！1分の狂いもなく！総攻撃の化学反応を起こすために…！！





『！？』




守りが変わった。凛が前衛(プレス)に就いて此方に向かって来る。同じパターンで千切にパスを出したのだと感じた蟻生は千切をマーク、千切は縦突破が最善手(ベスト)だが、警戒されている事を考え＿＿＿＿…





弾いて最高速(トップスピード)のまま内を切り裂く！





『＿＿＿＿敵陣侵入。』






布陣(フォーメーション)崩れた！一気にブッ壊す！！




それを塞ぐは凛。流石の危機察知だと思った千切は勝負しに行くか少し躊躇うも…中は1枚少ないと見、横回転(スピン)クロスを凪に送り出す。



突っ込め！凪！！




凛が方向を変えて追う。ここで密集する2対2に凪の行動(アクション)待ちの蜂楽…の死角を突いて外側へ走行(ラン)！！に反応する蜂楽の重心の逆を突いて、内に刺すこの瞬間！！交差連動(クロスオーバー)！！


あとは俺が決める＿＿＿＿



地面を蹴って潔に向かうAの姿を黙認した潔は驚いた。





『！？(は…！？嘘だろ…なんでだよ！？


どっから湧いてきた皇A！！？)』




もしかして、凛は背後から…Aは前から、俺の視界を読んで抜けてくる地点を追守したのか！！？…となると、凛は先に抜け出して自由(フリー)になるじゃん！！


くっ…どーする！？打つか！？いや、シュートコースに入られる！！せめて、保球(ボールキープ)…




『！？』




Aは疾走の勢いで潔に突っかかっては妨害した。ダメだ、勢いじゃ勝てない…！俺たちの完璧な化学反応ですら、皇Aの前じゃ想定内(イメージ)の遊戯(遊び)で終わる…！！！




｢＿＿＿＿！？｣




この一撃を待っていた王様(キング)は＿＿＿＿








『勝ったぞ潔、俺の球(モン)だ。』

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