黒薔薇が咲く監獄にて。II

23. 〃 ページ32

KICK OFF !



『魅せてよ！凛ちゃんの本気♪』




さぁ行くぞ、後半戦！！




｢OK＿＿＿＿｣





開戦の合図で凛が蹴り、先の未来をまず予見しては、半回転パスをA送り出す。

馬狼はこれをパスミスだとみて、A突っ込んで来るが、平均よりも低い身長を利用してトラップを得ながら馬狼を回避する。




｢クソ邪魔だヨ、馬狼(ウマオオカミ)ちゃん｣



『ｯﾁ!!!!!』



Aに保持(キープ)させて…自分は自由な位置取り(ポジション)で貰うための動き。




『！？』




ここで直接(ダイレクト)パス…！？ヤバい＿＿＿＿
俺の読みより一手(ワンテンポ)速ぇ…！！



潔が見た通りにAはボールを蟻生に引渡し、強制的にも凛に出させる様にした。それを感じとった蟻生は先程と同じ様に高く飛び上がり、'' 空中胸受球(エアチェストトラップ) '' を受ける。




『凄ぇじゃん、追い付くけど！』



『……(ズルい男だ、皇A。

俺を利用して球(ボール)を渡せ…か。


このタイミングでそこに居たら＿＿＿＿)』




お前に出すしかないだろ、糸師 凛！！

Aが思う通りにも蟻生は動いてくれたので完璧…後は、凛の動きが導いてくれる。




『……(蟻生に出させたな、A。)』



『凪！凛のシュートコース警戒！』

『もう行ってる！』



ゴール前の2対2、'' シュート '' か '' ドリブル '' か、
'' 蜂楽へのパス '' か＿＿＿＿…

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