黒薔薇が咲く監獄にて。II

23.黄金色の眼 ＿＿＿＿ ページ31

さぁ、2-2。試合はこっから！！



＿＿＿＿後一歩、凛より速く！追い付く！！


読め、辿り着け、凛より先の戦場(フィールド)の未来へ！！




『このままでは追われない＿＿＿＿。』




『こっからは戦場(フィールド)を俺が支配する。


勝ちたきゃ、持ってるモン全部出して全力で付いてこい。』





｢珍しく本気じゃん、凛。


でも、きっと勝つよこの試合＿＿＿＿。｣





Aは軽く状態を捻ってはストレッチを。珍しくも本気を出した凛の後ろ姿を目に楽しげな表情を顔に貼り付けた。蟻生も蜂楽も本気を出していく＿＿＿＿。



まだ自分(ボク)は、見い出せていない。誰1人もこの領域へ辿り着かれていない。

＿＿＿＿ボクに魅せて。ボクに喰らいついて。

ボクに追いつくのは凛か潔か(どっちなのか)を。










『……。』










凛はずっと考えていた。








己の近い場所で固く閉ざされた '' 蕾(エゴ) '' の存在を。






戦場(フィールド)上に居る全ての '' 人間(エゴイスト) '' を人形(マリオネット)の様に操る…支配的傀儡サッカーが自身のプレースタイルとしている。

しかし、唯一、その手中に収める事が出来なかった '' 異分子(イレギュラー) '' の存在がずっと居た。それは、Aだった。



試合中はずっと俺に合わせて動いてばかり…
今回の試合も、だ。この時点で既に俺に追い付いていて、俺が欲しいポジションにAはいつもいる。

俺が '' 操っている '' のではなく、Aが '' 操られているように見せている '' だけ。それに…








＿＿＿＿全てを見透かすAの金色の瞳が、とても淋しさを帯びていた事が気になった。

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